戦火の馬   

金曜日に、まとめて3本鑑賞した2本目です!

戦火の馬
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公式サイト
解説: 1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化。第1次世界大戦下を舞台に、主人公の少年アルバートとその愛馬ジョーイの掛け替えのないきずなの物語が展開する。主人公の少年を演じるのは、新星ジェレミー・アーヴァイン。共演は『ウォーター・ホース』の実力派女優エミリー・ワトソン。壮大かつ感動的な物語の行方に注目だ。
あらすじ: 農村に住む少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)の愛馬であるジョーイが軍馬として騎馬隊に売られ、フランスの戦地に送られてしまう。敵味方の区別を知らないジョーイの目に、戦争は愚かさで悲惨なものとして映るだけだった。一方そのころ、アルバートは徴兵年齢に満たないにもかかわらず、ジョーイと会いたいがため激戦下のフランスへ旅立つ。

スティーヴン・スピルバーグ監督が、初めて第一次世界大戦を撮った作品です。
児童向け小説が元になってるみたいですが、案の定、未読。全然、本を読んでませんよね…。
先に結論から言いますと感動する場面は、確かにあった!けど…という感じですね。

まずは、前半のアルバート(ジェレミー・アーヴァイン)のジョーイ(馬)へのひたむきな愛情が、微笑ましかったです。
それと全然CGって、わからないくらい馬がよく撮れてるなぁと思って調べたら
『戦火の馬』—スピルバーグ監督が映画作りの原点回帰で見せた真骨頂
↑の記事で「映画化するのなら、CGではなく、本物の馬でなければならない」と書いてました。競馬好きの友達(非常に馬に詳しく造詣が深い)も、「あの表情はCGですよね~?あんな事出来ないですよね~?」と言ってて、僕も「どっちかわからないですからね~。CGの技術ヤバイでしょ。」などと会話してたんですけど、まさかのモノホンですよ。今になって度肝を抜かれましたよ。さすがとしか言いようがないです。
この情報だけは、先に入れておけばよかったです。
それで、ラストもまぁ感動しましたけど、僕の一番の感動ポイントは何と言っても、ジョーイが、有刺鉄線に絡まるシーンがあるのですが、ある二人の男の行動でしたね!人間も捨てたもんじゃないですよ。
スピルバーグは、舞台版のこのシーンに一番カタルシスを覚えたとおっしゃってて、舞台版は小さい扱いだったけど、拡大してもっと深く描く事にしたみたいですね。そりゃあ巨匠の一番描きたい部分で本気出す訳ですから、我々もグッと来ますよね。
ちなみに、↑の理由と乗馬にハマってる娘に、せっつかれてと言うのが、今作を撮った理由との事です。(スコセッシといい娘に弱いんだから~)
さらに言うならこれは、戦争映画では無く、馬を通じての人間ドラマだと思って作ってるとの事ですね。(僕のタグ的には、探しやすいように戦争映画って事にしておきますが。)いや、実際、後半の戦闘シーンも「プライベート・ライアン」程じゃ無いにしても、割とすごいんですよ。息遣いが聞こえてくると言うか。
結局、この物語でわかるのは、どこの国でも、どんな状況でも、どんな時代でも、行動原理は人によるって事ですよね。

ただ、ちょっとアルバートの父親の行動が、理解出来ないというのが、冒頭から最後まで残りましたね。オークションで農耕馬が必要なのに、サラブレットのジョーイを衝動買いしちゃうんですよね。農耕馬として使えないとわかったら殺そうとするし、戦争始まったら速攻で売るし。マジ、ダメダメじゃんと思って。その後に、母親が父について、こうこうこういう人だからってフォロー入れるけど、あんま説得力ないというか、思慮に欠ける人物だなぁとしか思えなくて。アルバートが出来た人間だからよかったけどさー。
まぁその辺で、前半にちょっと乗れなかったのが、でかいですね。

それと、ハリウッド的な物語は、よく「行って帰る話」と僕らは、ラジオや本で教えてもらってて。で日常から非日常に行って、死にかけて、また日常に戻るんだけど、成長してるってのが、基本だと教わってるんですね。
確かに、この物語もバシバシ上の通りになるんですけど、ただ、それを担当するのが、馬なんですよねー…。成長って部分は、よくわからないし…だからあんまり乗れなかったですよ。馬だけに。(いや、馬がすごい表現してくれてるのは、わかるしすごいんですけどね。)
アルバートを中心に据えて、観てみたかった気もしますけどね。ただ、彼は最初から聖人のような人間の気も…。

まぁゴチャゴチャと言ってますけど、馬の演技を観るだけでも、一見の価値はあるので、是非、鑑賞して下さい!

ブログ内関連記事
スティーブン・スピルバーグ
「プライベート・ライアン」
「アラビアのロレンス/完全版」

ここからは、構造の話をしたいと思ってるんで、ネタバレを含みます。なので、未鑑賞の方は、読まない方が、いいと思います。

「プライベート・ライアン」と「アラビアのロレンス」で、言及し損ねてたんですが、スピルバーグ監督は、デヴィッド・リーン監督を尊敬してて、新作撮入前に鑑賞する一本に「アラビアのロレンス」を挙げてるとの事です。
それで、「アラビアのロレンス」は円環構造になってるのですが、これはも同じ手法で、「プライベート・ライアン」も作られてて、「アラビア~」へのオマージュと思われるとWikiに書いてました。
そう考えると今作も、確かに完全に円環構造なってました。
観た方ならわかると思いますが、ジョーイの流れが完全に、円環になってますよね。
アルバート→イギリス兵→ドイツ兵→フランス人→ドイツ兵→イギリス兵→アルバート
更に、
オークション→戦争→オークション
と、わかりやすいほど円環になってます。
これが、そもそも原作がそうだからなのか、脚本がそうだったのか、スピルバーグ監督の判断なのか、わかりかねますが、円環構造を持った作品である事は、疑いようが無いわけで。
しかも、「アラビア~」と同じ、第一次大戦を描いてるんで、意識しなかったとは、考えにくいですよね。
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by eigasirouto | 2012-03-26 03:29 | 新作映画(2012)

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