ニューヨーク・ストーリー
2012年 04月 03日
ニューヨーク・ストーリー
解説:著名3監督がニューヨークをモチーフにそれぞれ自由に演出したオムニバス映画。
第1話――前衛画家とその弟子との関係を描いた「ライフ・レッスン」。
第2話――少女ゾイが芸術家の両親との幸せな暮らしを手に入れる「ゾイのいない部屋」。
第3話――マザコン男とその母親の関係をコミカルに描いた「エディプス・コンプレックス」。
マーティン・スコセッシとフランシス・フォード・コッポラとウディ・アレンが、それぞれ短編映画を作ってるんで、かなり期待しましたよ。
それでは、1話ずつ書いて行きます。
第1話「ライフ・レッスン」
監督:マーティン・スコセッシ
大人の恋愛映画です。
〝大人の〟と書きましたが、主人公のおっさん(ニック・ノルティ)は、世間的な大人では無く、子供のまま50くらいになっただけの感じの人ですけどね。
何が、いいんだかわからないですけど、絵が人気あっるみたいで、金には不自由してない様子。
好き放題生きてて、うらやましいんですけど、何やら物足りなそうな様子。
物足りない部分とは、好きになった若い女の助手(ロザンナ・アークエット)に男として、愛想をつかされてる部分なんです。
結局、もう一緒に寝ないという約束で、助手はおっさんの家に戻るんですけど、おっさんがついムラムラしたり、若い男に嫉妬しまくる話です。
僕は、それなりに面白かったですけど、客は選びそうだと思います。まず、ある程度、人生経験がある方が、おっさんの気持ちがわかるんじゃないですかね。
それとやはり、男の方がわかるんじゃないかなぁ?とも思います。おばちゃんの気持ちは、僕はわかりませんが。
そもそも、スコセッシ監督の作品って、そういうの多いような気がします。僕は、超好きですけど。
でも、通して観るとオチのためのコントみたいな話でもあるんで、誰にでも楽しめるっちゃ楽しめるんですけど、やっぱり人生のわびさびを知ってた方が、味わいは、深いと思います。
一番、ニヤニヤしたのは、おっさんが、足フェチだったとこですね。
脇役のスティーヴ・ブシェミもよかったです。アメリカの1989年のスタンダップコメディみたいなのが、観れて興味深かったです。
後、音楽をカセットテープで聞いてる所に、時代を感じます。そう言えば、「ヤング≒アダルト」もカセットで聞いてましたね。
第2話「ゾイのいない部屋」
監督:フランシス・フォード・コッポラ
結論から言いますと、かなり嫌いな作品です。
当然、コッポラ監督の「ゴッドファーザー」シリーズ好きですけど(Ⅲは、未鑑賞ですが…)、これは無い。酷いというか、ムカつくんですよ。
まず、みなさんはバブルの時代をどう捉えてたかわからないですけど、僕は、小学、中学の時で、大人共が、浮かれてやがる、FUCK!!と思ってました。この映画の1989年…23年前は、バブルで、ニューヨークはどうかわからないけど、日本では〝男は三高〟だとか〝アッシー君〟だとか、言う偉そうな女がチヤホヤされる腐った時代ですよ。日本の黒歴史ですよ。それで僕らが、高校卒業したらバブル弾けてますからね。たまったもんじゃないですよ。(僕が貧乏なのは、バブルが原因じゃないですけど)で、その当時のそういう女共が、喜びそうな映画ですよ。これは。
僕は、この映画を面白いという人がいたら「ケッ!!」と言いますよ。
なんで、そんなにむかつくかと言えば、何点かあるんですけど、何よりも、ガキ共のこまっしゃくれぶりが、鼻についてしょうがないですよ。
最初、女の子が、金持ち過ぎて面白く感じたんですけど、両親が出て来ての甘やかしっぷりに、非常に腹が立って来て、目を瞑ってた少女の生意気な言動にも腹が立って来ましたよ。こんな育て方してたらこの子は、きっと大人になって苦労するでしょうね。
で、この脚本書いたのが、娘のソフィア・コッポラなんですよ。
とにかくイライラしました。
第3話「エディプス・コンプレックス」
監督:ウディ・アレン
ほとんどの人が、これが一番面白いんじゃないでしょうか。僕も、これは笑いました。
ウディ・アレンらしい屁理屈と御託を並べながら人間の真理に迫ると言う感じなんですけど、驚きの展開があって、コントとして中々よく出来てますよ。
親と外出するのって、皆さんはわかりませんけど、僕は結構、恥ずかしいんですよ。うるせー感じを人に見られたく無くて。それを非常に上手く利用して、こんな事になったら確かに、たまらないなぁと思ってしまう展開です。
とにかく展開が読めないはずなんで、あんまり話したくないんですけど、僕は、これが観れただけでも、この映画を観といて良かったと思いましたね。
という事で、この映画の順位をつけるとしたら
1位「エディプス・コンプレックス」
2位「ライフ・レッスン」
最下位「ゾイのいない部屋」
となりました。
そこまでオススメとも思わないですけど、三者三様の色は、出てると思うし、たまにはこういうオムニバスもいいんじゃないですかね。
by eigasirouto | 2012-04-03 00:46 | 旧作(2012年鑑賞)