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トロピック・サンダー/史上最低の作戦   

RDJこと、ロバート・ダウニー・Jrが観たくて、鑑賞しました。

トロピック・サンダー/史上最低の作戦
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解説: 監督としても活躍する人気スター、ベン・スティラーが『太陽の帝国』に出演した約20年前にひらめき、長年企画を温め続けてきたサバイバル・コメディー。自己中心的な役者たちがアクション映画の撮影で東南アジアへ赴き、本物の戦争に巻き込まれてしまう。監督のベン共々主演を務めるのは、『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックと『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr。爆笑に次ぐ爆笑の展開と、多数の豪華ハリウッドスターによるカメオ出演が話題となっている。
あらすじ: 落ち目のアクション俳優スピードマン(ベン・スティラー)は、戦争大作『トロピック・サンダー』での返り咲きを目指すことに。コメディー役者のジェフ(ジャック・ブラック)や演技派のラザラス(ロバート・ダウニー・Jr)とともに撮影に臨むが、クランクイン5日目で予算オーバーに陥ってしまう。あきらめ切れない監督は東南アジアのジャングルで撮影を強行しようとするが……。

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ベン・スティラー
ロバート・ダウニー・Jr.
ジャック・ブラック
ニック・ノルティ
「プライベート・ライアン」
「レイジング・ブル」

ブラックジョークやら下ネタやらたくさん出来て来ますけど、かなり面白かったですよー!そんなので引くなんて、つまんない感情は捨ててしまえばいいんですよ。子供向けに作ってる訳じゃないんだし。

今回は、以下の様に区分けして、書いていきます。
①物語について
②メソッド演技について
③俳優陣について
④映画ネタについて

気になる部分があったらそこだけでも読んでもらえると嬉しいですよ。

①物語について

今作は、映画についての映画の話です。
リアリティ追及や戦争映画を小馬鹿にしつつも、それに最大限に賛美を送ってるとも言える話です。

そもそもが、架空のベトナム戦争を描いた映画「トロピック・サンダー」を撮影しようとしてるという所から始まります。で、映画の外に出ると、アホでわがまま役者達が、監督の言う事を全然聞かなくて、金も時間も遣い過ぎて、困り果て、原作者の提案で、本当のジャングルに役者達を送り込み、リアルな戦争場面を撮影しようとするんですが、そこで、現地の麻薬密造グループと本当に戦争をしてしまうという話です。

メチャクチャな展開とかありますけど、戦争シーンとかは本気で金をかけて作ってるので、迫力あります。だからこそ面白いし、入れるんだなと思います。

それとオープニングの前に、フェイク予告が入ってて、これ自体がバカバカしいギャグになってますけど、実は、これが架空の役者達が、これまでやって来た仕事になってるんで、ちゃんと観た方が面白いと思います。

②メソッド演技について

Wikiによりますと
コンスタンチン・スタニスラフスキーの影響を受けたリー・ストラスバーグらアメリカの演劇陣によって、1940年代にニューヨークの演劇で確立・体系化された演技法・演劇理論である。役柄の内面に注目し、感情を追体験することなどによって、より自然でリアリステックな演技・表現を行うことに特徴がある。
とあります。
また、スタニスラフスキー・システムとも言うんですが、これによって役に入り込み、リアリティを出せる反面、その後も、役から抜け出せなくなるという怖い部分も、持ち合わせた方法みたいです。

「レイジング・ブル」で、デ・ニーロ・アプローチについて書きましたが、あれも正にこのメソッド演技になります。他にもたくさんやってる人がいますが、ジェームス・ディーンやマリリン・モンローこれをやってたみたいです。

「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーが薬の急性薬物摂取で死んだのも、婚約解消やインフルエンザ薬と睡眠薬の併用とも言われるけど、このメソッド演技でジョーカーになりきった故では無いか?と言われてます。

そんなメソッド演技についての豆知識が、入ってるとこの映画がもっと楽しめると思います。

③俳優陣について

僕は、今一番好きな俳優はロバート・ダウニー・Jrで、「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」で、色々書きましたけど、今作でもバッチリ面白かったです。
②で紹介した、メソッド演技をRDJ自身がやる人で有名ですが、今作は、オスカーを5度受賞した名優カーク役で、バリバリのメソッド演技役者役です。カークは、この「トロピック・サンダー」の役作りの為に、整形手術で黒人になった程の役者という事です。(あくまで映画内映画での話ですよ)
しかも、なりきり具合が、半端無いので、仲間のちょっとした事に、「それは黒人ナメてんのか?」とつっかかり、本物の黒人(ブラントン・T・ジャクソン)に「お前、本当は白人だろ!」とつっこまれても、気付いてない程です。
基本的に、黒人なので、いつものRDJさは無いですが、目はやはりRDJだなと思えますよ。
やはり、僕的には一番よかったと思います。

次に、この映画自体(映画内映画の事ではなく)の監督・脚本・制作・主演を務めるベン・スティラーが面白かったです。
落ち目の役者が、久々の主演になりはりきってるんですが、彼もメソッド演技の役者役で、チームのリーダーです。
途中から撮影じゃないモノに巻き込まれてると皆が気付くんですけど、彼だけは、ずっと撮影だと信じ込み、役になりきってて、麻薬組織に捕まり拷問をかけられてる時も、「カット!」「カットしてくれ!」のシーンは、大爆笑しました。
最後のRDJとのシーンもグッと来ましたよ。

上辺の笑いに走りがちで、苦手なジャック・ブラックは、やっぱりちょっとやり過ぎ感はあり残念でした。けど、彼が主演という訳じゃないので、RDJやベン・スティラーの力で、彼の嫌な感じも薄まってて、僕的にはよかったです。

それと原作者を演じたニック・ノルティも面白かったです。
というか、前日に観た「ニューヨーク・ストーリー」に出てた画家のおっさんが、すごいじいさんになってて、一瞬驚きました。
1989年の映画から2008年の映画を連続で観たりするとこういう事があるから面白いですよ。19年でこんな感じになったんだーとか、思いながら観てました。

④映画ネタについて

「ディア・ハンター」「地獄の黙示録」「ランボー」「プラトーン」「ハンバーガー・ヒル」「フルメタル・ジャケット」「プライベート・ライアン」などのパロディになってる部分もあるみたいですね。
「プライベート・ライアン」の腸が出てるシーンが冒頭で、ギャグっぽくあったりしました。
それと映画の中で、かなり色んな映画の話もしてましたよ。なんで、あいつがオスカーを獲れたのかとか。
僕的には、興味深い話を色々聞けて面白かったです。

後、最近「シネマ頭脳」という本を読んでるんですが、それにコメディの事を書いてて、チャップリン型とキートン型のコメディがあると書いてました。

チャップリン型は、たくさんギャグがあってもストーリー上には関係なくて(それぞれ面白いギャグだとしても、)、キートン型は、ストーリーに関連したギャグが続くから、キートン型の方が、笑いは大きくなるし、評価は高いとありましたが、それでなぜ、今作や「宇宙人ポール」「おとなのけんか」が面白くて、「ガリバー旅行記」が笑えるけど、何も残らないのかわかりました。

そんな感じですんで、興味ある方は観て下さいー。

by eigasirouto | 2012-04-03 17:32 | 旧作(2012年鑑賞)

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