カジノ
2012年 04月 04日
カジノ
解説:賭博の才を買われてヴェガスのカジノの経営をまかされる事になるサム・ロススティーン。カジノは売り上げを伸ばし、バックについている組織への上納金も増えていく。美しい女ハスラー、ジンジャーを見初めたサムは彼女と結婚し、生活は順風満帆のように見えた。しかしサムの長年の盟友ニッキーがヴェガスに乗り込んで来た事から事態は急変する。暴力的で破壊衝動の強いニッキーは次々とトラブルを引き起こし、それはカジノの経営にも少なからず影響を及ぼしはじめていた……。
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マーティン・スコセッシ
ロバート・デ・ニーロ
ジョー・ペシ
シャロン・ストーン
「ヒューゴの不思議な発明」
このブログが、スコセッシ監督作品だらけになってますが、要するにそれくらい好きになってると言う事です。
今作は、178分と鑑賞するのに、割と気合いが必要ですが、かなり面白かったですよ。
「グッドフェローズ」に結構、似てるなと思ったら原作者が同じニコラス・ピレッジという人でした。また、嫁が浮気っぽくて、信用出来ない主人公なんかは、「レイジング・ブル」の様でもあり、
スコセッシ監督らしいなぁと思って、鑑賞しました。ちなみに3作品共、ロバート・デ・ニーロ及びジョー・ペシは出演してます。立場は色々違うんで、見比べると面白いです。役者の凄さもわかりますよ。今、挙げた2作品は、スコセッシの監督の記事とかからも飛べる様になってますんで、よかったら読んで下さい。
スコセッシ作品は「レイジング・ブル」で、僕は〝何かに取りつかれて突き進む男〟が、主人公の場合が多いと思うと書きましたが、もう少し付け加えるなら
〝何かが欠けてて、社会に融合出来ない主人公〟なんかも定義出来るんじゃないでしょうか。だからこそ最新作「ヒューゴの不思議な発明」は、フィルモグラフィの中では、やっぱり異色作な方ですよね。(あくまで「ヒューゴ~」しか観て無い人に向けて、書いてるんですけども)
〝主人公及び登場人物のナレーションが入る〟
〝冒頭で物語の途中を見せる〟
〝大人向けであり、どちらかと言えば男向け〟
〝暴力映画が多い〟
ジョー・ペシが演じたニッキーは、「グッドフェローズ」のトミーの役とほとんど変わらなくて、生まれ変わりかよと思ったんですけど、小さくて声が高いににも関わらず(だからこそなのか)キレ演技がマジで怖いし、嫌な感じなんですよ。とにかく小さいからこそのコンプレックスが前面に出てて、何をするかわからないから皆が怯えてるというのが、ちゃんと伝わります。
エースことデ・ニーロに対して、「困った時だけ俺を頼るのか?」とか、ヤクザに言われたら、ヤクザじゃなくても、ちょっと悪い友達に相談して、解決してもらった事があるとして、それでプライベートに鑑賞して来たから、拒絶するとこんな事言い出されたらと本当に嫌と言うか、もう抜け出せないじゃないですか。怖いですよ。
そういう怖さや嫌さを演じるのが、本当に上手いですよ。
それに対して、デ・ニーロは今回は、エースという役で、石橋を叩いて渡るタイプの天才ギャンブラーで、決してマフィア的な人間では無いんですけど、天才故に、マフィアにカジノのオーナーみたいな仕事を任されてやってます。この作品の中で、この人はまともな人なんですけど、周りが狂ってるから破滅に向かってくみたいな感じですよ。完璧にやってるはずなんですけどね。
ニッキーと一緒に、エースの人生を無茶苦茶にするのが、嫁のジンジャーで、シャロン・ストーンが演じてるんですけど、当時の彼女がメッチャ美人なんですよ。ただ完全な悪女で、映画史に残る悪女と言ってもいいんじゃないですかね。お金だけが目当てで結婚して、人妻にも関わらず男を誘惑し、前の男に旦那の金を貢ぎ、旦那に逆ギレし、娘が寝てる隙に腕をロープで縛り、アル中でヤク中…でも、スゲーイイ女と言う性質の悪過ぎる女ですよ。エースだけじゃなく色んな男は惑わされますよ~。でもマジでこんな女性いますよね。あいつやあいつを思い出しましたよ。
昨日、紹介した「シネマ頭脳」という本に、映画的に素晴らしい演技とは、登場人物が、自分自身と重ね合わされたり、友達や恋人に見えて来たりする事だと書いてましたんで、すごく当てはまります。なので、演技、演出が素晴らしい作品なのは、間違いないですよね。
確かに、長いんで鑑賞するのに、気合いは必要ですが、鑑賞後に少し大人になれるんじゃないでしょうか。
by eigasirouto | 2012-04-04 03:06 | 旧作(2012年鑑賞)