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ギター弾きの恋   

2012年5月26日公開予定の「ミッドナイト・イン・パリ」に向けて、ウディ・アレン監督作品をちょこちょこ網羅して行きたいと思います企画①(ウディ・アレン監督作4本目)

ギター弾きの恋
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解説:1930年代、シカゴ。派手で目立ちたがり屋のエメットは、才能に恵まれたジプシージャズのギタリスト。演奏が始まると誰もがうっとりとその美しい音色に聞きほれる。しかし、一方で彼は娼婦の元締めという顔をもち、女遊びにも目がなく、芸術家にありがちな破滅的な生活を送っていた。そんなある日、エメットはひょんなことから口のきけない娘ハッティと出会い、次第に愛するようになるのだが……。W・アレン監督、S・ペン主演。ジャズをふんだんに取り入れたラブ・ストーリー。

ウディ・アレン監督に騙されました。

その意味は、つまらないとかではないです。では、何を騙されたのか?知らない人が楽しく読める様に、それは、最後に取っておきましょう。

この映画は、冒頭で、ウディ・アレン監督のカメラに向かっての語りから始まります。確か、ウディ・アレン監督作は、今まで3本観てますが、全部この始まりだったと思います。
何を語るかと言いますと〝あまり知られていない1930年代のジャズの天才ギタリスト・エメット・レイ(ショーン・ペン)〟についてです。
更に、別の関係者が、エメット・レイについて語って行きます。

そして、エメット・レイの物語が始まるのです。
序盤は、ウディ・アレン監督にしては、意外に笑いもない真面目な映画だなー。まぁ伝記映画だからそりゃそうか、エメット・レイが本当に好きなんだなぁ。でも、恋愛をテーマに置いてる所が、ウディ・アレンっぽいなぁとか思いながら観てました。

で、上から吊るした三日月にまたがって、演奏したいとかロマンチックな事を言い出して、なんだいやらしい男だなとか思ったんですが、いざ、その場面になると本人は高い所に吊るされる事が怖くなって、ガチガチになってしまうシーンで、ついに笑えました。ああ、やっぱりウディ・アレン映画だなぁと思いました。このシーンが面白いのは、ショーン・ペンの演技がさすがなのもあるでしょうね。

そこで、再び、ウディ・アレンが、サマンサ・モートン演じる、喋れない女の子ハッティと出会う場面を紹介します。

この辺から、エメットもウディ・アレン映画っぽく屁理屈を展開し出してクスクスと笑えるし、ハッティもかわいらしく、観ていて楽しくなっていきます。
また、エメットのアーティスト故の狂った部分、ネズミを撃つのと汽車を眺めるのが好きとか、盗癖があり、女と結婚する気はなく、適当に遊んでいる。など、エメットの人となりを丁寧に描いて行くので、エメット・レイという人物に興味が湧いていきます。

そんなこんなで、ウディ・アレンや関係者の証言とそれをショーン・ペンが演じて映像化した物語を交互に見せて行きます。

後半に、ある事件が起こるのですが、その事件を見せた後、ウディ・アレンが、「しかし、エメットの話には、尾ひれがついてるから本当は、わからない。こういう説もある。」と言って、そのシーンの別バージョンを見せた後、更に、他の証言者が、こんな説もあるとして、同じ場面のバージョンを3つも見せます。
この辺も、ウディ・アレンらしいなぁと思って観てました。

そして、物語は、悲しい結末を迎えるけど、アルバムは残ってるという感じの終わり方でした。

ウディ・アレン作品らしいし、音楽もいいし、時間も95分で丁度いいし、身につまされる部分もありますし、好きな作品になりました。僕は、この映画を全然知らなかったけど、エメット・レイのアルバムとか聴いてみようかな?とか思いましたよ。と言うのが、映画を観終わった時の感想です。


それで、観終わって調べてわかったんですけど…












全部、フィクションの話で、エメット・レイなんて人は、実在しませんでした。
と言うか、それを知って、この作品がもっと好きになったんですけどね。

by eigasirouto | 2012-05-05 01:51 | 旧作(2012年鑑賞)

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