ファミリー・ツリー
2012年 05月 22日
そして、このブログを始めて(要するに今年)、旧作、再鑑賞も含めて鑑賞した100本目の記念すべき作品です!
ファミリー・ツリー
オフィシャルサイト
解説: 『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン監督と、『オーシャンズ』シリーズのジョージ・クルーニーがタッグを組んだ感動作。ハワイを舞台に、家族崩壊の危機に直面したある一家の再生のドラマをユーモアを交えて映し出す。クルーニーが父親役で新境地を開拓し、シャイリーン・ウッドリーとアマラ・ミラーという期待の若手女優たちが彼の娘を好演。独特のハワイ文化を背景に、さまざまな要素が入り混じったドラマが共感を呼ぶ。
あらすじ:マット(ジョージ・クルーニー)は、妻と2人の娘と共にハワイで暮らしていた。ところがある日、妻がボートの事故に遭い、そのまま昏睡状態となってしまう。それをきっかけに、妻が彼と離婚するつもりだったことや、そのことを長女(シャイリーン・ウッドリー)だけでなく友人たちも知っていたことが判明しショックを受ける。
先に、言っておきますが、原作の小説は未読です。
いや~、「幸せの教室」で、どっと疲れて、「ももへの手紙」も長かったんで、その疲れで寝てしまうんじゃないかと思ってましたが、ちゃんと面白い映画は寝ないで観れます!この作品のおかげで気分よく家に帰れました!それにしても、100本目の記念すべき映画が、「幸せの教室」じゃなくて本当に良かった…。
今回は、面白いんだけど、面白さを上手く伝えれるか不安ですが、以下の項目に分けて書いて行きます。
①アレクサンダー・ペイン監督についてちなみに原題は、「THE DESCENDANTS(子孫たち)」で、邦題の「ファミリー・ツリー」は、家系図って意味だったんですね。アホな僕は、てっきり家族で木を植える話かと思ってました。さすがに〝子孫たち〟って邦題だとピンと来ないですから、まぁアリな邦題じゃないでしょうかね。
②ジョージ・クルーニーについて
③話は実は重たい
④コメディとして面白い
⑤最終的に
⑥まとめ
①アレクサンダー・ペイン監督について
何度も書いてますが、僕は、数年前までそこまで映画詳しくなかったので、アレクサンダー・ペイン監督を知らなかった訳ですが、「ヤング≒アダルト」の時に書いた様に、好きな監督であるジェイソン・ライトマン監督がアレクサンダー・ペイン監督に影響を受けているとの記事を紹介しましたが、その時に初めて知りました。
そして、今作を観てなるほどなと思いました。
基本的に入口の間口は広くて軽い感じで観れますし、ユーモアのある会話が面白くて、時にブラックなギャグを放り込み、主人公が苦い経験をしたりと共通点も多いと思いました。
表層は、コメディですけど、実は深くて難しい問題も描かれてて、これも似てました。
「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」とかも、そういう感じですね。
アレクサンダー・ペイン監督の作品は、今後、チェックを入れて行きたいと思います。
②ジョージ・クルーニーについて
ジョージ・クルーニーが監督もした「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」を絶対観ようと思ったまま、結局観なかった訳ですが、フィルモグラフィーを観てみると全然、彼の作品を鑑賞して無くて驚きました。
僕が観てるクルーニーの作品は、「オーシャンズ11」を除けば、それこそジェイソン・ライトマン監督作の「マイレージ、マイライフ」だけでした。
かっこ良くて渋いですけど、今作は、ちょっとダメなお父さんを演じてて、それもまた良かったですね。
このかなりの存在感のあるジョージ・クルーニーからこそ、娘2人や、長女の彼氏、嫁の父、一部の親戚との絡みが、すごく面白いんじゃないでしょうか。
特に、次女スコッティ(アマラ・ミラー)との絡みは、個人的にメチャクチャ面白かったです。
こんなに惹きつける物があるのに、今作含めて3作しか観てないのは、もったいないですね。彼の作品もこれから観て行こうと思います。
③話は実は重たい
ハワイだし、コメディ調なので、のほほんとしてそうで、実際、そういう部分もあるんですが、中身は深くて、色々な人間が生きて行く上での問題点が入っています。
・嫁エリザベス(パトリシア・ヘイスティ)が事故で意識がないなどなど、現代社会の問題も含めて、重くなってもおかしくないテーマが、複雑に入り乱れている状況に置かれています。
・嫁が尊厳死を選択していた
・嫁が、実は浮気をしていた
・主人公は仕事人間の為、家族の事がわかってない
・主人公は娘達と接し方がわからない
・長女シャイリーン・ウッドリー(ジュリー・スピアー)が、薬をやっている
・長女の彼氏のノリが軽くてKY
・次女が、長女の影響か汚い言葉を使う
・次女が、クラスメイトをいじめている
・嫁の父に、良く思われてなくて、嫌みを言われ邦題
・嫁の母が、アルツハイマーになってる
・持ってる土地を売るべきかという問題
・親戚との関係
・自然と開発の問題…
・浮気相手と対面したが、どう接するべきか?
しかし、この手が付けられない程の問題や、複雑な問題が絡み合ってるなんて、僕らが生きているこの世界と地続きになってるからこそ面白いと思えるんじゃないでしょうか。
傍から見ると呑気で悩みなんか無さそうなハワイでも、実際起きているというのが、他とちょっと変わってる点かもですね。
これだけ書くと「渡る世間は鬼ばかり」みたいな感じですけど、それでいてコメディ調で展開して行くので、それがまたこの監督の面白い部分かも知れませんね。
④コメディとして面白い
ここからは、ネタバレも含むので、ご注意を。
②でも、書きましたが、とにかくマット(ジョージ・クルーニー)と次女スコッティ(アマラ・ミラー)の絡みが、大好きでしたね。
スコッティちゃんは、10歳の女の子なんですけど、仕事人間だったマットは、最後に接したのが3歳の時で、嫁が意識が無くなった事で、向き合ってみるといつの間にか手に負えない悪ガキになってるんですよ。
長女の影響もあるのか、「FUCK」とか汚い言葉を使ったり、同級生のアジア系の女友達に「もう陰毛が生えてんだろ?」とか、メールを送ったりしてるんですけど、その女の子の親からマットに謝罪に来いと電話があって、マットは、「普段はいい子なんですよ」と言ってる後ろで、プールに椅子を投げ込む暴れっぷりを発揮してる所とか、すごく好きですね。
後、ポルノチャンネルを見たがったり、姉の下着を勝手に着たりと無邪気ないたずらを色々するんですが、その時のジョージ・クルーニーの困った顔が、またおかしいです。
長女に、「お前の時は、こんなに酷く無かった。どう接していいのかわからない」と嘆く姿も、また滑稽でいいです。
長女のアレクサンドラ(シャイリーン・ウッドリー)も、また反抗期で、酒を飲んだり、薬をやったりしてるみたいで、しかも彼氏シド(ニック・クラウス)を連れ込んで、そのシドがメチャメチャ軽いノリのちょっといけすかない奴で、出会っていきなり、義父になるかも知れないマットにハグして来て、「よろしく~」みたいなノリなんですよ。で、マットも「二度とするな!」と怒ったり。
それにしてもシャイリーン・ウッドリーも、またかわいかったですよ。
その他、無意識の嫁に浮気の事で文句を言う所、嫁の父にボロクソ言われる所や、浮気相手への報復のシーン(ここはなるほどと思いました)、嫁の浮気相手を知る為に友達の家に走るシーンなど笑える部分もたくさんあって、面白かったです。
⑤最終的に
ただ、エリザベスが亡くなり、当然と言えば当然な展開ですが、ただコメディとして終わらなくて、マットなりの色んな問題に対する一応の回答を示します。
のほほんとしてたけど、コメディタッチで飽きさせる事無く、丁寧に丁寧に人物を描いて来てるので、観てる僕らは、登場人物をもう他人に思えなくて、最終的に泣きそうになってますよ。
後、シドが意外とイイ奴だったりするのも、読めるけどやっぱり好きなパターンです。
そして、ラストのあのシーンはスゲーいいです!
予告編でも流れてたけど、ここを最後に持って来てたんですね。
⑥まとめ
とにかく、大人の映画だとは思うから人生経験の少ない若い世代は、もしかしたらピンと来ないかも知れないんだけど、観て損は全然しないと思います。
どうでもいいですけど、ハワイ行きたくなりました。
by eigasirouto | 2012-05-22 14:48 | 新作映画(2012)