苦役列車   

7/23(月)の深夜のバルト9で鑑賞して来ました!

苦役列車
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オフィシャルサイト
解説:貧しい肉体労働青年の青春を描いて第144回芥川賞を受賞した西村賢太の小説を、『マイ・バック・ページ』などの山下敦弘監督が映画化。1980年代後半を背景に、19歳の日雇い労働者で、酒におぼれる主人公を中心に、その友人、主人公があこがれる女性の青春模様を描く。主演を『モテキ』の森山未來が務め、ほかに『軽蔑』の高良健吾、AKB48の前田敦子が共演。独特の世界観を持つ原作に挑戦するさまざまなジャンルの作品を手掛ける山下監督と、旬の俳優たちによるコラボレーションから目が離せない。
あらすじ:1980年代後半。19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二(高良健吾)と親しくなる。そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。

現在、彼の影響を受けて無い邦画は無いんじゃないか?と言われてる山下敦弘監督の最新作ですね。彼のどういう部分が素晴らしいのかはこれから調べて行こうと思いますが、同じ年なんで応援したいですね!

まず、原作を読んで無いんですが、原作者の西村賢太氏が映画を酷評してるらしく、山下敦弘監督とは舞台挨拶でも会話をしなかったみたいだし、原作ファンはこの映画に違和感を覚えてる人もいるみたいなんで、原作を読まないと何とも言えませんが、あくまで原作を読んで無い僕としてはですね…メチャクチャ好きな映画でした!今の所、下半期ナンバー1です!

まず、主人公の北町貫多(森山未來)のクソ野郎っぷりがよかったですね。僕としては、当たり障りのない凡庸な主人公や、薄っぺらな正義をかざす主人公よりも全然好きですね。ここまでクソじゃないですけど、部分部分が野暮な僕には気持ちがわかるんですよ。僕も19歳の頃なんて、何よりもとにかくセックスしたかったです。でも、それに伴う努力をしてない。というか努力の仕方もわかってない。好きな女の子に上手く話かけれない。おっさんをバカにしている。完全なその日暮らし感、行き当たりばったり感とか、もう彼の気持ちは痛いほどわかります。実際、彼の父親が性犯罪で捕まったという様な経験が僕には無いので、わかってるつもりになってた気になるなと怒られそうですが、でも貫多には19歳くらいの青年のある一部の人間の普遍的な悩みや葛藤を背負ってると僕は思ったんですけどね。とにかく立派な人間じゃない側の僕は非常に感情移入して、自分の事の様に映画を観た訳です。
それを演じる森山未來の演技が素晴らしかったです。なんなんでしょうか?あの目つきは。本当に嫌な奴にしか見えないんですが、その上で、どこか、かわいそうな奴であり、ちょっとかわいい部分もあったりして、この役をここまで表現出来るのは、彼しかいないんじゃないでしょうか。完全にハマり役ですね。

日下部正二(高良健吾)もいいんですよ。スゲーさわやかでかなりイイ奴。まぁ薄っぺらくて事無かれ主義な所もありますが、貫多との対比キャラとしてバッチリです。そう、彼は僕らの向こう側の世の中の色々を受け入れられる側の人間なんです。でも、僕らは向こう側の人間に憧れがあるし、仲良くなりたいとも思ってる訳です。だからそもそも友達の少ないこっちは仲良くなった途端、ホモソーシャル憧れが発動し、必要以上に仲良くなろうとして、ストーカー的行為にまで及ぶ訳ですな。だけど、向こう側の人間は友達多いですからね。基本。段々、遊んでくれなくなって、嫉妬しちゃうんですよね。そして、最終的にその関係が崩壊するという…。
というこの2人の関係性もかなり好きなポイントでした。
また、正二の彼女もよかったですね。僕の大嫌いなタイプでした。ああいう、先を行ってる感じを出して来て、知ったかぶりをして偉そうな女が一番嫌いなんですよね。で、正二が優しいから(アホという気もするが)、そんな彼女を肯定しちゃうんですよね。あの、居酒屋での2人のトークの腹立たしさったら無いですよ。そして、それをぶっ壊す貫多に、ありがとう!と思いました。ハラハラする場面だし、友情が後に決壊する理由のシーンなんですけどね。

そして、前田のあっちゃんも良かったと思いますよ。このキャラが原作ではいなくて、彼女が主人公に影響を与える部分に原作者は怒ってるみたいですがね。でも、僕はいいと思いますけどねー。だってかわいいし、下着で海に入ったり、隣のおじいちゃんの放尿を手伝ったりと色々とやらされてますが、それを素晴らしい笑顔でやってくれるんで、素敵でしたよ。つーか、あので海に下着で入る貫多と正二が下着で海に入って、あっちゃんが「も~みんなバカなんだから~」って、台詞は80年代ドラマっぽいし、僕ら世代がが子供の頃に超絶アコガレ台詞だと思うし、何よりあの海のシーンがとてもアコガレシチェーションでした。山下監督と同じ年だからやっぱり憧れの対象が似てるのでしょうか?あの頭突きシーンもよかったですね。総じて、あっちゃんは良かったと思いますよ。

それと個人的に一番グッと来たのが、マキタスポーツさん演じる高橋ですね。貫多の延長線上にいる人物で、それを好演してましたね。序盤は表向きイイ人を演じてるんですが、頭悪そうで、本当はクソなんだろうなって感じがして。貫多も自分の延長だと理解して無くても肌で感じたから嫌悪感を抱いたと思うんですよね。で、彼がスナックで、マイクを取り上げるシーンは泣きそうになりましたね。これはちゃんと説得力のある歌唱力が無いとダメなシーンですが、さすがマキタスポーツさん!だと思いました。だから高橋出てこないかな~とか思いながら結構観てましたよ。

と、その他の脇役も含めて役者陣は本当に良かったです。こんな人いそうだなって思えました。

それと僕は前半は、どちらかと言えばギャグが多かったですが、ギャグも冴えわたってましたね。まず、あっちゃんと友達になれた時の、貫多の喜び方で僕は爆笑しましたよ。握手した手を舐めるシーンも親譲りの変態よのうと僕は好意的にニヤニヤしてましたけどね。さっきのあっちゃんがジイさんのおしっこを手伝うシーンも面白かったです。その他、クスクス笑えるシーン満載ですけど、わかりやすいつっこみとか無いんで、気付くかどうかです。僕はこういう淡々とした笑いが好きなので楽しめました。

他にも色々書きたいんですけどね。でも、結構時間を費やしたので、この辺にしておきます。もしかしたらまた追記やるかもですが。とにかく、僕は非常に面白い映画でした!でも、原作を読まずに観に行った方がいいかもです!
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by eigasirouto | 2012-07-28 02:22 | 新作映画(2012)

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