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最強のふたり   

10/1、新宿武蔵野館で鑑賞しました。

最強のふたり
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公式サイト
解説: 車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスを描いていく。監督は、本作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。主演は、『歌え! ジャニス★ジョプリンのように』のフランソワ・クリュゼと『ミックマック』のオマール・シー。フランス本国のみならずヨーロッパで記録的なヒットを樹立した、笑いと感動に包まれた良質なコメディーを堪能できる。
あらすじ: 不慮の事故で全身麻痺(まひ)になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。

これは、まず視点についての映画じゃないかと思うのです。

一般的に言う所の社会の底辺で生きているドリス(オマール・シー)の視点はとにかく純粋です。

障害者に気を遣うのも、また差別だと思うのですが、ドリスには、障害者であるフィリップ(フランソワ・クリュゼ)に対して、全く気を遣ったりしませんし、偽善もありません。

また、絵画やオペラやら、金持ちが芸術だと価値を見出してる物をバカバカしい事と捉えています。特にオペラ演劇の時、急に歌い出す役者を観て彼は爆笑するのですが、僕はそこがツボで笑いが止まらなくなりました。

そんな彼を学の無い無知なバカ。と捉える人もいるでしょう。しかし、知識があるからこそ見落とす物もあるんじゃないか?と言う事をドリスを通じ、映画を通じて、改めて学んだ気がします。知識があるとそう言うものだ。と思ってしまうと言う事は往々にしてあると思います。子供の頃にオペラを観た時に、僕も笑いましたし、ピカソの絵だって下手くそだと思ったものです。ただ、知識が入っちゃうともうそういう見方は出来ないですからね。でも改めて考えるとやっぱりこれって変かもよ~?と言うメッセージも無きにしもあらずじゃないでしょうか。

そもそも芸術って何だろう?と言う問いと、芸術に群がる金持ちのおかしさを浮き上がらせてると言う部分では、僕の2011年の新作1位だった「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」にも通じるテーマもあったと思います。

と、そんな風に何も知らない純粋なドリスは、我々に純粋視点を思い出させてくれます。

そんなドリスは、障害者フィリップにも容赦ないです。チョコを食べてて、フィリップが欲しがっても「これは健常者用だ」とおちょくってみたり、マリファナやら煙草やら吸わせてみたりとダチ感覚で接します。前科もあり問題児とされるドリスですが、フィリップにとっては、自分に気を遣わないドリスを気に入り受け入れます。

ここで、重要なのは、こういう感動話になりそうな話をギャグで描いてる所が素晴らしいなと思いました。それで行くと「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」にも似てるなぁと思いました。

フィリップ金持ち過ぎだし、他の介護者に対して、つんけんし過ぎ!と言うのは、ちょっと気になりましたけど、総合的に面白くて、最後はグッと来る映画でした。

後、ベテラン介護士のおばちゃんがよかったです。

by eigasirouto | 2012-10-06 00:45 | 新作映画(2012)

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