鍵泥棒のメソッド   

10/19、ユナイテッドシネマとしまえんにて。

鍵泥棒のメソッド
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公式サイト
解説: 『アフタースクール』の内田けんじが監督を担当した、さまざまな要素が詰め込まれた予測不能の娯楽作。ひょんなことから人生が逆転してしまった2人の男性を巻き込んだ物語の成り行きを、笑いとサスペンスを交えて描き切る。情けない主人公を演じるのは『ジェネラル・ルージュの凱旋』の堺雅人。そして『劔岳 点の記』などの香川照之が、記憶をなくす前と後でまったくの別人に変身する男を怪演する。彼らが真剣勝負で挑む人生を懸けた戦いに胸が躍る。
あらすじ: 35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井(堺雅人)は自殺にまで失敗してしまう。その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウ(香川照之)が彼の目の前でひっくり返り、頭を強打したせいで記憶を失ってしまった。桜井は衝動的に彼の荷物をくすねてコンドウに成り済ましたのだが、実はコンドウの職業は殺し屋で……。

個人的に、今年の後半は面白い邦画がとても多いと感じてるのですが、これまた非常に面白かったしかなり好きです。ランキングが非常に困りますね…。

内田けんじ監督は、いとうせいこうさんが期待してるみたいで、イイ評判を聞いてましたが、実はこれまで未見でして…。前作を振り返る事も無く、いきなり映画館に行って観ましたが、すごく良かったですね。またこれから遡って内田けんじ監督の作品を観てみます。まだ4本しかない観たいなんで、今のウチですね!

このお話は、人物入れ替わりものと言う、よくありがちな設定の物語だとは思うんですが、一人が記憶喪失でもう一人はわかった上で入れ替わってるんで、ファンタジーでは無く、リアルな入れ替わりです。なので、意識があって入れ替わる桜井(堺雅人)がコンドウ(香川照之)の人生を乗っ取るんですが、前半はコンドウの金持ちっぷりに、いちいち驚いていく所とか面白かったですね。意識を失ってるコンドウも桜井としての自分を受け入れて行くシーンも好きでした。

それで、本当に二人のキャラクターが、わかりやすく正反対で、殺し屋のコンドウは非常に几帳面ですごくしっかりした人物で、売れない役者の桜井はだらしなくて自殺しようとしていた人物です。この2人がそれぞれ役割が変わっても、中身は変わらないのが観てて楽しいですね。

自殺しようとしていた堺雅人演じる桜井の部屋は、本当にボロボロのアパートで、部屋中散らかってて、完全にだらしない性格なのですが、香川照之演じるコンドウが桜井になってからは、ノートにこの部屋にある物を綺麗に書き出し、ボロボロの部屋ながら綺麗に片付いています。で、元々の桜井だった男の持ち物として、煙草を持ってたので、自分を思い出す為に、嫌々苦手な煙草を吸う所とかおかしかったですね。とにかく、きっちりした人は、どんな状況に陥ってもなんとかなるなと思いました。後、シャツをいちいちインするのがかわいいですね。

一方の桜井は、コンドウになる訳ですが、こっちは元がクズなんで、すぐに部屋は散らかすし金はあったらあっただけ使ってしまいます。でも僕は完全にこっち側の人間ですから、すごく感情移入すると同時に、色々と身につまされ、家に帰って部屋の掃除しようと強く思いました。

とにかく極端に性格が違うので、入れ替わる事で非常にわかりやすいギャップコメディになってるんですが、ちゃんとしてる方が殺し屋。という所がひねくれてて(でも、実際そうじゃないと出来ない仕事)アクセントになってていいなと思う訳です。

そして、それなりに裕福な家庭で育った真面目な水嶋香苗を演じる広末涼子が、とてもよかったです。本当の彼女がどういう人物か知りませんけど、やっぱり彼女は清楚な役が合う気がします。でも、ただの清楚じゃなく、なんかちょっと変わってると言うか、強い何か意思みたいなものを持ってる人物がいいのかな?と思いました。すごくしっかりしてるけど変わり者なんですよ。そして彼女が父の為に結婚を決意して、相手を必死に探している時に、記憶を無くしたコンドウに会ってからお互い仲良くなって行く訳です。

後、ヤクザの組長(?)を演じるのが、荒川良々と言うのも面白いですね。かわいい顔ですが、得体の知れない顔ですからね。ただ、部下も含めてバカ過ぎる軽すぎると言うか、コメディより過ぎな気もしましたけどね。敢えてそうしてるんでしょうが、本当に怖い方が、より緊張感あってよかったのかなぁ?とか、ちょっと思ったりします。けど、まぁちゃんと怖いと思わせるシーンもありましたんで、まぁそこまで影響無いでしょうかね。

書き忘れてましたが、コンドウが殺す時、ナイフをサクサクサクっと刺すシーンが、すごい好きですね。かっこいいです。

やっぱりこれは脚本がしっかりしてるのと、役者さん達の演技がしっかりしてるんで、面白いなぁと思うんでしょうね。そして面白いのが、香川照之と堺雅人が演技の練習をしてるシーンで、二人の演技論をぶつけ合うシーンが特筆して面白かったですね。メソッド演技については、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」で、紹介しましたけど、タイトル通り、メソッド演技についても口論します。ちょっと勉強になりました。

後、車のブザーの伏線の回収が上手いなぁとか、記憶としての音楽の使い方になるほどなぁとか色々細かい所も良かったと思います。

僕は、面白かったし割とオススメも出来ると思いますよ。
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by eigasirouto | 2012-11-04 13:09 | 新作映画(2012)

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