カテゴリ:新作映画(2012)( 74 )   

デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-   

9/28、DVDにて鑑賞。

デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-
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解説: イラクの独裁者サダム・フセインの息子、ウダイの影武者だったラティフ・ヤヒアの自伝を映画化した衝撃作。ウダイに顔が似ていることから無理やり影武者に仕立てられ、人生を狂わされた男の絶望と怒りを描き、サンダンスやベルリンなど世界各国の映画祭で絶賛された。監督は、『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリ。狂気にとらわれたウダイと家族を愛するラティフという、正反対の2人を一人二役で演じ切った『マンマ・ミーア!』のドミニク・クーパーの熱演が光る。
あらすじ: 家族思いの青年ラティフ(ドミニク・クーパー)は、ある日サダム・フセイン大統領の息子ウダイ(ドミニク・クーパー)に呼び出され、影武者になるよう命じられる。同級生だった高校時代から2人は似ていると評判で、一度は断るラティフだったが、家族の命と引き換えに強制的に影武者を引き受けることに。理不尽な運命に必死で耐えるラティフは、いつしかウダイの情婦サラブ(リュディヴィーヌ・サニエ)と心を通わせていく。

イラクの現状は、皆さん知っての通りだと思いますが、思えば、「アラビアのロレンス」の頃のイギリスやらトルコやらのせいで、この様な状況になってるとも考えられますよね。

「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」で、 「アイアンマン」ことトニー・スタークの父ハワード・スタークを演じたドミニク・クーパーが、独裁者の息子ウダイ(超鬼畜)と影武者を無理矢理やらされるラティフ・ヤヒア(好青年)を好演してました!すごい!

初のベルギー映画です。
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by eigasirouto | 2012-09-29 01:26 | 新作映画(2012)

夢売るふたり   

9/21、ユナイテッドシネマとしまえんで鑑賞して来ました。

夢売るふたり
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公式サイト
解説: 『ディア・ドクター』などで高評価を得た西川美和監督がメガホンを取り、松たか子と阿部サダヲが結婚詐欺に手を染める夫婦を演じる異色のラブ・ストーリー。小料理屋を営む夫婦が火事で全てを失ったことから始めた結婚詐欺を通して、複雑で深遠な男と女の関係を描き出す。主演の二人に加えて、結婚詐欺に引っ掛かる女たちを演じる田中麗奈や鈴木砂羽、木村多江のほか、以前西川作品に出演した香川照之や笑福亭鶴瓶などが共演。うそをテーマに人間の業をえぐり出す西川監督らしいストーリーと、豪華キャストによる演技に期待が持てる。
あらすじ: 東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。

何と言えばいいのかわかりませんが、観てる間ずっと息苦しかったです。
つまらない作品では、全然無くて、それなりに楽しかったし、見所もありましたけど、なんか本当に観てて、いたたまれない気持ちになったと言うか、何度も主人公である貫也(阿部サダヲ)に、もうやめとけよ。後々、絶対にめんどくさい事になるよ…と思いましたね。

西川美和監督作品は、「ゆれる」しかまだ観て無いんですが、「ゆれる」は好きな作品でした。結構、前に観たので、内容はうる覚えですけど…。

里子を演じる松たか子の演技は、本当に素晴らしいと思いました。オナニー、半ケツ、放尿、パンツの履き替え…など、攻撃的演技もさる事ながら、表情一発の説得力など、やっぱり力のある人なんだろーなぁと素人ながらに思いました。10数年前、やたらと持ち上げられてた頃は、あんまり好きじゃ無かったんですが、最近は、女優として、確かな演技を見せてくれるので、どんどん好きになっていってる女優さんですね。
映画序盤は、旦那想いの素敵な奥様だったんですけどねー。

鈴木砂羽演じる睦島玲子とひょんな事から浮気をした貫也が、彼女から100万を受け取って、そこから里子が、旦那のこの情けなさは金になる!と閃いて、旦那に結婚詐欺を働かせると言う話です。

まずは、鈴木砂羽さんが、とても色気のある女性でしたね。とりあえず、彼女とは風呂でセックスするんですけど、普通に考えて、長方形の風呂でヤルなら縦に向かい合うと思うんですけど、なぜか横向きにやってて、非常に窮屈そうな印象でしたね。なんとなく、こんな色気のある人とやったら病みつきになるぞ!と心配しましたが、そういう展開にはなりませんでした!貫也の神経を疑いますね。恐らく、彼のタイプでは無いのでしょう。

その後、結婚詐欺を働くために、店の客に次々と手を出して行く貫也。その中に、田中麗奈もいて、んなアホな!と強く思いましたし、またこれも病みつきになってしまうぞ…。と心の中で貫也に警鐘を鳴らしたんですが、そうはならない異常者・貫也でした。男の友情より女をとるのも、ちょっと信用なりませんが、女よりも金をとるのは、もっと信用なりませんね。恐ろしい!何より残念なのは、田中麗奈とも当然、濡れ場が用意されてると思って、僕の期待は膨らんでいたのですが、全然、そういう描写は無くて残念でした。

その後、色々と手を出した揚句、重量挙げの皆川ひとみ(江原由夏)にも手を出します。すごく純粋で、重量挙げの選手でゴツくて、なかなか男から女として見てもらえない。そんな自分をわかってて、普通の人生を歩む為に、重量挙げを辞めようかとすら思ってる彼女。彼女のシーンが本当にいたたまれなくて…。おいおい…彼女に手を出すなよ?こんな純粋な女性から金を騙し取るのは、極悪非道だぞ?と思ってましたが、里子から「かわいそうだから、やめようか?」との提案。それにホッとしたのも束の間、かわいそうなのは貫也の方!と言う理由に、心底ふざけんな!と。で、もうそれでイイから、とっとと彼女を解放してやれよ。と思ったら、貫也の方が、「かわいそうなのは里子、お前だ!」的な、偽善的な事を言って、彼女に手を出します。当然、それまで男に縁が無かった彼女は、貫也にハマってしまって…。ああ、バカバカバカバカ!と思いながら観てました。一連の彼女の登場シーンは、居心地悪いと言うか、観てて辛かったですね。逆に言えば、それだけ心が揺さぶられるのですから、素晴らしいシーンなんだと思います。

ほぼ同時進行で手を出す、デリヘル嬢の太田紀代(安藤玉恵)のシーンも心に残りましたね。彼女は、「松ヶ根乱射事件」でも、ちょっと頭のおかしいアバズレ役をやってましたが、アバズレ役が多いですね。映画冒頭では、おっぱい丸出しで、騎乗位シーンをやってのけてました。さすがです。彼女の「私は自分で生きてる!」的な発言は、この映画において、非常に重要なキーワードでした!

「松ヶ根乱射事件」と言えば、山下敦弘監督がカメオ出演されてましたね。また、「松ヶ根乱射事件」で銀行員役、「マイ・バック・ページ」で妻夫木君の上司役をされてて、「歓待」で主演を務めた古舘寛治さんもチョイ役で出演されてましたね。素晴らしい演技を見せてくれるので、映画が引き締まりますね。山下監督と仲がいいのでしょうか?さらに、カメオ出演で言えば、「息もできない」のヤン・イクチュンも出てたみたいですが、これは見つけられず…。と、細部に渡って、おお!と思わせる人が出演されてました。

それと笑福亭鶴瓶さんが、後半チョロっと出演されますが、存在感がありましたねぇ。OPでクレジットあったけど、ずっと出ないからてっきり忘れてましたけど、出て来た時は、なんか儲けた気持ちになりましたよ。元やくざを思わせる役どころですが、普通に優しそうだけど、本当は怖い人なんじゃないの?と言う鶴瓶さんにちょっとあるイメージの役と言えるかもしれませんね。 そういう意味で鶴瓶さん主演の西川監督の前作「ディア・ドクター」は、観たくなりました。

と、こういう感じで、各シーンは楽しめたんですよ。ただ、全体を通して見ると微妙に感じてしまいましたね。と言うか、疲れちゃいましたね。多分なんですけど、主演の夫婦以外も、粒立て過ぎたんじゃないか?と思うんですよね。最後の女性が、子持ちの木下滝子(木村多江)で、木村多江さん好きですし、いいんですけど、もうそれまでに女に手を出し過ぎて、お腹一杯になってる状態なんですよ。モテキ以上にモテキが来てて、そういう男を見てると死んでほしいなぁと言う気持ちが無くも無いですからね。それと最後の超強引展開もちょっとどうかな?と首をかしげてしまいましたね。

色々と考えさせられるシーンもありましたし、もしかして里子は子供が出来ない体なのかな?とか、徐々に離れて行く二人の心を包丁や自転車などの小道具の使い方で見せたりと上手いなと思うシーンもたくさんあるんですけどね。うーん、ちょっともったいないのかなぁ?と言うのが感想です。
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by eigasirouto | 2012-09-22 02:44 | 新作映画(2012)

トガニ 幼き瞳の告発   

9/6、新宿武蔵野館にて。

トガニ 幼き瞳の告発
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公式サイト
解説: 『マイ・ファーザー』のファン・ドンヒョクが監督と脚本を務め、実話を基にしたコン・ジヨンの小説「トガニ-幼き瞳の告発-」を映画化した衝撃作。聴覚障害を持つ子どもたちに暴行や性的虐待を行い、それを隠ぺいしようとした教育者たちの本性を暴き出す。本作の映画化を熱望した『あなたの初恋探します』などのコン・ユがこれまでのイメージを一新し、悩める教師役で新境地を開拓。国をも動かした、あまりにもむごい真実の物語に戦慄(せんりつ)する。
あらすじ: カン・イノ(コン・ユ)は大学時代の恩師の紹介で、ソウルから郊外のムジンという町の聴覚障害者学校に美術教師として赴任する。着任早々彼は校長の弟の行政室長(チャン・ガン)に、教職を得た見返りとして大金を要求される。最初から学内の重苦しい雰囲気を奇妙に感じていたイノは、ある晩、帰宅しようとして子どもの悲鳴を聞きつける。

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by eigasirouto | 2012-09-22 00:53 | 新作映画(2012)

THE GREY 凍える太陽   

9/1、新宿ピカデリーにて鑑賞。

THE GREY 凍える太陽
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公式サイト
解説: 『グラディエーター』のリドリー・スコットと『アンストッパブル』のトニー・スコットの兄弟が製作を務めたサバイバル・アクション。アラスカのツンドラ地帯で起きた飛行機事故の生存者たちが、過酷な大自然の中で決死のサバイバルを繰り広げていく姿を、壮大なスケールで活写する。『96時間』『アンノウン』で、ワイルドでタフな魅力を開花させたリーアム・ニーソンが、本作でも自然の猛威やオオカミの群れに挑む屈強な主人公を快演。メガホンを取るのは、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』などのジョー・カーナハン。
あらすじ: 石油掘削現場で勤務する男たちを乗せ、アラスカのツンドラ地帯を飛んでいた飛行機が、大嵐に巻き込まれて墜落。オットウェイ(リーアム・ニーソン)ら、7人の男が生き残るものの、そこは周囲がすべて雪に覆われる極寒の地。一行は取りあえず南へと向かうが、野生のオオカミたちのテリトリーに足を踏み入れていたことから、彼らの執拗(しつよう)な攻撃にさらされることに。マイナス20度という寒さや、圧倒的な食料の不足にも苦しむ中、雪山を突き進んでいく彼らだったが……。

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by eigasirouto | 2012-09-22 00:40 | 新作映画(2012)

桐島、部活やめるってよ   

8/24に、バルト9で鑑賞しました。先月観たのに、今頃になってしまいました。

桐島、部活やめるってよ
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公式サイト
解説: 早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作を映画化した青春群像劇。学校一の人気者である男子生徒・桐島が部活をやめたことから、少しずつ校内の微妙な人間関係に波紋が広がっていくさまを描く。学校生活に潜む不穏な空気感を巧みにあぶり出したのは、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八監督。クラスでは目立たず地味な存在の主人公に神木隆之介がふんするほか、『告白』の橋本愛、『SAYURI』の大後寿々花らが共演する。
あらすじ: とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。

観てから結構な時間経っちゃってますけど、これまた素晴らしい作品でした!とにかく高校時代を思い出して、観てる間に高校時代の自分を見てる様な、そして対話してる感覚になって、また同じような友達を思い出したり、恋愛を思い出したりして、楽しいやら恥ずかしいやら悲しいやら…悲喜こもごもに目の前に再現される感覚で、こんなの中々体験出来ないよ…と思いながら観てました。

原作は、未読なので映画の事しか書けませんけど、とにかく映画として非常に優れていたのではないかと思います。また吉田大八監督の作品は初見だったのですが、過去作もタイトルは知ってるし、いずれ観ようかな?と思ってましたので、これを機に全部観たくなりましたね。とにかく人物配置がバッチリで、それぞれの役と役者の顔がバッチリ合ってるし、この役者達の演技アンサンブルも素晴らしかったです。

この作品の特徴として、基本、高校を卒業した人であれば、どんな立場だった人でも、まぁ当てはまる人物がいると思います。ただ、男子高や女子高出身の人はどうなのかちょっとわかりませんけど、でも、学校内のヒエラルキーみたいなものは、どこにでも存在すると思いますから、その辺は理解出来るのでは無いでしょうか?

とりあえず、色んな立場の視点から物語は語られていくんですが、タイトル通り、桐島という男子生徒が、バレー部を辞めて、学校にも来なくなり、誰も連絡が取れなくなる。と言う所から物語は始まるし、基本的に、〝桐島が不在である〟と言う事が物語を引っ張ります。桐島とは、この学校での存在感は凄いらしく、ヒエラルキーの頂点に君臨している、言わば王様であり、他の生徒からすれば、彼との関係にアイデンティティを確立している様子です。
ある者は、彼女として
ある者は、親友として
ある者は、その親友の彼女として
ある者は、仲間であるとイケてるから
ある者は、部活仲間として
とにかく、桐島の不在は彼らに動揺を与え、混乱を招いています。要するに、拠り所を無くしてしまうのです。

しかし、その一方で、学園内には、桐島がいようがいまいが全く関係無い人達もいます。それが映画部の前田(神木隆之介)達や、吹奏楽部の沢島(大後寿々花)などです。学園内のヒエラルキーの最下層(これは世間が勝手に決め付けてるだけで、本人達にしてみれば、そんなピラミッドに入っても無いでしょうが)に当たる人達です。そもそも桐島がいても何ら恩恵を受けてる訳でも無いですから。

で、この前田と武文(前野朋哉)の映画部童貞ボンクラコンビが観てて、楽しくもありちょっと切なくもあって。周りから見れば、同じ映画オタクですけど、よくよく見ると二人は映画が好きってだけで、結構性格は違うなと思いましたね。前田に比べて武文は幼いのか、無自覚なのか、強いのか、あまり周りを気にしてませんが、前田は割と周りを気にしてると言うか、好きなものは好きなんだけど、ちょっと自分がイケてない位置にいるなぁと言う自覚はありそうな感じがしましたね。本当に、今にして思えば笑止千万ですが、こいつといるとスゲー楽しいんだけど、ダサいから一緒に遊んでると何かバカにされて、一緒に嫌われるかも…とかで、ちょっと冷たく扱ったりした事が中学高校の時の僕はあります。前田はそんな事しませんけど、そういう自覚はありそうだな。と映画観てて思いましたね。一方の武文は、そういうイケてる側をバカにしてて、やっぱりこういう人の方が強いし、後々、大物になりそうな予感はしましたね。こんな彼らは、本当に映画大好きで、ジョージ・A・ロメロタランティーノが大好きで、映画秘宝をこよなく愛してて、非常に好感が持てました。映画部の顧問の先生は、自分達の半径1メートルの事を描きなさいと言って、青春恋愛映画を描かせようとするのですが、本人達は、どうしてもゾンビ映画が撮りたい!と主張します。そして、先生を無視してゾンビ映画を撮る事になります。しかし、彼らは先生に反抗してるけど、それでいて先生の言う事を聞いています。なぜなら彼らの半径1メートルには、恋愛なんかより、生きにくい世界でそれでも生きていかなければならない、学園でいるのかいないのかわからない存在、つまり自分達はゾンビの様な存在な訳です。だから彼らがゾンビ映画を撮る事は、必然であるし、すごく正しいのです。学生時代にオタクだったりイケて無かった人達は、彼らに感情移入出来るのではないでしょうか?

そんな彼らの対極に存在するのが、イケてるグループです。まず、イケてる女子4人組がいるのですが、その中の一人は、不在になった桐島の彼女、梨紗(山本美月)で、わかりやすく言えば、学園のマドンナ的な存在なのでしょう。しかし、そんな彼女も桐島の不在でかなりまいってしまってます。それで、高校時代とか女子のイケてるグループとか見てると皆、同じ様な性格で思考してるんだろうな。って思ってましたけど、4人が4人共に全然、違うんですよね。それは当り前の事だけど、当時はそういう想像力や経験が足りなくて、あのグループに属してるから、こういう人だ。的な偏見はあったかなぁと思います。で、その梨紗の親友である沙奈(松岡茉優)は、梨紗といる事で、自分がイケてるグループにいる事に自信を持ててる感じの女で、この映画で最も嫌な人物でした。恐らく、自分に自信が無いんでしょうね。この役を演じた松岡茉優さんの嫌な人の演技は、素晴らしかったです。残りのかすみ(橋本愛)と実果(清水くるみ)は、先に上げた2人より、やや地味目で、バトミントン部にも所属していて、帰宅部の梨紗や沙奈より、模範的生徒であります。しかも梨紗や沙奈と仲良くしつつも、「あの人達に真面目な話しても、しょーがない」(by実果)と本当に信頼出来る友達じゃ無さそうで、とりあえず、今は仲良くしてる感じです。更に、実果はかすみに対しても、バトミントンの上手さでジェラスしてたりします。とにかく思春期の色んな立場の複雑さをこれでもか!と描いてるのです。一方のかすみは、全くイケてない前田達を皆がバカにしてる時も、一人だけ笑って無かったりして、イイ子だなぁと思わせますが、どうやら中学時代は前田とも仲良く話してたみたいで。こういう人間関係の変化もわかるなぁと。かすみは僕と同じ様に、イケてない人を排除しようとしてしまったんですね…。

一方、男子のイケてるグループは3人組です。元々は、桐島含めてこちらも4人組だったんでしょう。帰宅部のやる気無さげな2人と桐島の親友で野球部をサボり中の宏樹(東出昌大)で、イケてる女子グループと教室で絡んでます。それでいつも放課後に桐島をバスケしながら待ってるのですが、本当に、目的も無くダラダラしてる感じ「部活やってる人達の事どう思う?」とか下世話な話したりで、こういう高校時代を過ごした人も多いんじゃないかと思います。でも、チュートリアルの得意さん似の宏樹だけは、ちょっと雰囲気違ってて、その自由に適当に生きる高校ライフを心底楽しんで無い様子で、やっぱり野球も気になるなぁ的な状態です。なんか、真面目に嫌気して、桐島とよろしくやりたかったんだけど、桐島がいなくて、自分が無くなった感が満載です。彼は、さっき言った一番嫌な女である沙奈と付き合ってるんですが、それも好きで付き合ってる様に全然、思えないですね。桐島の彼女の友達だから付き合ってる感じです。なんか、運動神経も抜群なのに、やる気が無いというか、自分でも自分がどうしたいのか、わからないといった感じでしょうか。

そんな宏樹に思いを寄せるのが、文化系女子代表、吹奏楽部の沢島(大後寿々花)で、特に何も出来ないけど、屋上でトランペットの練習をしてるフリをして、下でバスケをしてる宏樹を見てると言う、健気な彼女に胸がズキューンとなりましたね。そんな彼女と映画部の場所取り合戦は、全部面白かったです。彼女も桐島がいなくなった事はあまり関係無いですけど、桐島不在によりイケてるグループの動きに支障が出た為、間接的に影響を受けた人物と言えるでしょうか。

そして、これまで桐島に影響を受けた人達は、ある意味では勝手に困ってろよとも思えるくらいの悩みですが、最も影響を受けてしまったのは、当然バレー部の連中です。何やら桐島は県選抜か何かに選ばれる程の選手だったみたいで、桐島がいるから強かったっぽいです。そんなエースがいなくなったら、どれだけ大変か想像に難くないですよね。彼らもまた桐島の恩恵を受けていたわけです。だからキャプテンはイライラして、桐島の彼女である梨紗に詰め寄ったりします。一方で、桐島がいなくなった事で、代わりにレギュラーになる選手も出て来る訳ですが、当然、桐島の様に上手く出来なくて、ビシビシしごかれます。彼にとってこれは良い事なのか悪い事なのか、判断は難しい所ですが、チャンスと言えばチャンスですからね。ある意味で、桐島不在の影響が一番ある人物かも知れませんね。そんな彼をバトミントン部であまり上手く無い「あの人達に真面目な話しても、しょーがない」発言でお馴染みの実果が気にかける所とかも、ああ、もう青春だなぁと強く感じて、胸が熱くなりましたよ。それで時々、バレーのシーンが入るんですが、そのバレー描写が非常にリアルで素晴らしかったと思いますね。

そして、ラストでこの様々な生徒達が、一気に絡み合います。それも最高の形で。そして、この群像劇の本当の主役が誰であったのか、最後の最後にわかります。その主人公が成長の片鱗を見せて、突然、物語は幕を閉じるのです。で、多くの人が「よくわからなかった」と言ってましたが、その意見もわからなくは無いです。僕の中で、こうだったのかなって解釈はありますけど、答えはそれぞれに考える様に作られてるんだと思います。ラストの絵とそれまでの会話でそれぞれが何を思うのか?何を受け取るのか?それが大事な映画です。そんな全部わかりやすい説明してくれる映画ばかり観てる人の中には、怒ってる人もいるみたいですが、空白を自分で埋めるのが、とても映画は重要だと思いますし、そっちの方がより心に残りますよね。

最後にネタバレになるから、この下の文章は観て無い方は読み飛ばして欲しいですけど…






桐島って、ただのマクガフィンでしたね。物語が進むにつれて薄々気づきましたけどね。桐島の退部の理由を言わないからわからないとか言ってる人も多いんでしょうね。それで怒ってもしょうがないですよ。だって、それで物語を引っ張るのだけが目的なんですからね。でも、それまで非常に楽しかったでしょ?って言いたいですね。
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by eigasirouto | 2012-09-05 01:15 | 新作映画(2012)

アベンジャーズ   

8/20に、ユナイテッドシネマとしまえんにて、IMAX3Dで鑑賞して来ました。

アベンジャーズ
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公式サイト
解説: アイアンマン、ソー、ハルク、キャプテン・アメリカなど、世界的に有名なヒット作の主人公が一堂に顔を合わせるアクション大作。特殊な戦闘力を誇る者たちによって編成されたチーム「アベンジャーズ」が、地球滅亡の危機を回避する戦いに身を投じる。最先端VFXを駆使した圧倒的ビジュアルに加え、『シャーロック・ホームズ』シリーズのロバート・ダウニー・Jrや『それでも恋するバルセロナ』のスカーレット・ヨハンソンら、豪華共演を果たしたキャスト陣も見ものだ。
あらすじ: 人知を超えた悪によってひそかに進められる地球壊滅の陰謀。それを食い止めるべく、大富豪で天才発明家アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)、神々の国から地球ヘと追放された雷神ソー(クリス・ヘムズワース)、感情の爆発によって容姿を激変させる科学者ハルク(マーク・ラファロ)などを集めた部隊アベンジャーズが結成される。しかし、各々が抱えているつらい過去や苦悩が浮き上がっては衝突し合うようになり、人類史上最大の危機に立ち向かうチームとしての機能が消失しかけていた。

ちょっと、時間が無いけど、早めにupしたいので、今回はかなり雑に、読み返しもせずダラダラっと本能のままに書き記したいと思います。で、後日、追記という形で、詳しく掘り下げた文章をupするかも知れません。

まず、率直な感想は、最高過ぎるよバカ!と言う気持ちでいっぱいです。確かに、凄く楽しみにしてたし評判も頗る良かったし、「日本よ、これが映画だ!」と言う挑発的なキャッチコピーもありましたが、そう言ったハードルを悠々超えてくれました。もう最高です!

よくも、これだけのメンバー全員に見せ場を作ったものだと心底、感心しております。本当に監督のジョス・ウェドンをひたすら尊敬するばかりであります。そして、本当にありがとうという気持ちでいっぱいです。こんなに爽快な映画体験はなかなか出来ませんよ。

それぞれ登場の仕方、順番も完璧で冒頭からテンション上がりっ放しでしたね。なかなかハルクだけ変身しない…とか、よく計算されてると思います。後半も誰が最後に来るのかも。

アベンジャーズは前半、メンバー同士の壮絶なケンカが展開されるけど、それも最高でした。そのケンカの壮絶さがハンパ無かったです。とにかくそれぞれ一撃が重いので、一撃でぶっ飛ぶんだけど、そのぶっ飛び方が、すごく楽しくてしょうがなかったです。皆、画面全体で暴れまわってましたね。とにかく絵的に楽しませる工夫がすごい事になってて、サービス精神旺盛!サービス過剰でした!
それと予告編でも流れてるけど、キャプテン・アメリカとアイアンマンの口喧嘩も面白かったです。愚直なキャプテンの口撃をウィットに富んだ返しでさらりと交わすアイアンマン。通常時のハルク=ブルース・バナーのその2人に対するやれやれという感じも面白いし、そして神様というお門違い甚だしいソーの存在感もなんかすごくて、ソーが真剣な顔をすればするほど、僕的にはニヤニヤしちゃいました。

「アイアンマン」「アイアンマン2」「インクレディブル・ハルク」 「マイティ・ソー」 「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の続編だけど観なくても、一応はわかる作りでしたね。ただ、「マイティ・ソー」は、やっぱり観といた方が良いかも知れませんね。でも、やっぱり一番は全部観てからがベストです。よりキャラが深く愛せるので、その感情移入たるや。アイツとアイツがこんな事してるー!的な楽しさが特盛りですよね。

一応、僕の「アベンジャーズ」の中での推しメンは、アイアンマンですね。ロバート・ダウニー・Jrがかなり好きってのもあるし、確かに超金持ちでそもそもの設備がすごいしかなりの天才ってのは大きいけど、あれ全部自分で作った訳ですからね。そこが本当に偉いなぁと思います。
いや、でもハルクも今作で、大好きになりましたね。もうかわいいし、ぶっ飛んでて素敵過ぎるな~。 あれを体一つで止める所とか、ヤバイし、ラスト間際にコメディタッチであいつをボコるシーンも大好きでしたね。
と言いつつ、ソーも、キャプテン・アメリカも好きだし、ブラック・ウィドウ、ホークアイも今作で好きなキャラになりましたね!ブラック・ウィドウを演じたスカーレット・ヨハンソンは本当に色気があったなぁ。大好き!

とにかく、アホみたいな文章になり果てましたが、ハルクの暴れっぷりも、アイアンマンの天才っぷりも、ソーの男前ぶりも、キャプテンのキャプテンシーも全て最高!でした。


【関連人物】
ジョス・ウィードン監督

ロバート・ダウニー・Jr
クリス・ヘムズワース
クリス・エヴァンス
マーク・ラファロ
ジェレミー・レナー
スカーレット・ヨハンソン
サミュエル・L・ジャクソン
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by eigasirouto | 2012-08-25 03:56 | 新作映画(2012)

ダークナイト・ライジング   

8/13、ユナイテッドシネマとしまえんで2D字幕版で鑑賞しました。

ダークナイト・ライジング
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公式サイト
解説: 鬼才クリストファー・ノーラン監督が、『ダークナイト』に続いて放つアクション大作。8年間平和を保ってきたゴッサム・シティを狙うベインが出現し、再びダークナイト(バットマン)と激しい攻防を繰り広げる様子を映し出す。今回も主演のクリスチャン・ベイルをはじめ、マイケル・ケインやゲイリー・オールドマンらが続投。新キャストのアン・ハサウェイやトム・ハーディらと共に見せる、最終章にふさわしい壮絶なストーリー展開に熱狂する。
あらすじ: ジョーカーがゴッサム・シティーを襲撃するものの、ダークナイトが死闘を繰り広げ彼を撃破してから8年後。再びゴッサム・シティの破壊をもくろむベイン(トム・ハーディ)が現われ……。

なんだか割と絶賛ムードの人達も多いみたいですが、ちょっとそれは解せないですね。駄作だとか、全く面白くないとかは思いませんけど、いくらなんでも過大評価過ぎるんじゃないですかね?このすごい事してるっぽい雰囲気に騙されてる人が多いんだなぁと思います。

いや、僕もなんだかんだ楽しかった部分もありますし、すげー期待して観に行ってるんですよ。ただ、残念ながらあまり盛り上がれなかったです。その理由として、以下の様な点が挙げられます。
・ベインとの戦闘が全く盛り上がらなかった。
・ベインの弱点の場所に度肝を抜かれた。
・ベインの目的があやふやで感情移入出来なかった。
・バットマンの折られた腰がパンチ一発で治ったのに心底驚いた。
・もう少しキャットウーマンのセクシーサービスが欲しかった。
・警察達が長期間、地下にいるのにピンピンしてるのがおかしい。
などなど、言い出したらキリがないので、この辺でやめておきますが、納得出来ない部分が好きな部分を凌駕してしまいました。

町山さんもおっしゃってましたが、リアリティラインがおかしくなってると言うのは、僕もすごく感じました。どの位、真剣に観れば良いのか、全然わからないんですよね。もっと漫画っぽくやってれば、全然気にならないかもしれないけど、無理にリアルにやろうとしてるから、そうなるとそこおかしくない?って疑問は当然出て来ますよ。

全体像は、凄く好きなんですよ。金持ちVS貧乏人の戦いになりそうな展開、ゴッサムシティに革命を起こす。なんて、超面白くなりそうじゃないですか。だけれども、その描き方がなんとも中途半端に思えました。もっと掘り下げられたんじゃないのかなぁと。
それに、それぞれのキャラの見た目とか、持ってる悩みとかも好みで、すごく感情移入しかけてるんですよ。でも細部が変過ぎて、生きてる人に思えなかったんです。人間が描けてないなと思ってしまいました。そうなると途端にどうでも良くなりはじめてしまって…。

まぁ、「インセプション」同様に、そういう絵的にスゲー!と思わせるシーンはあるんですけどね。でも、予告編とかでもやってたアメフトの試合中に地面が落ちてくシーンとか、予告の時、凄く楽しかったのに、いざ本編で観るとちょっと肩透かしくらった感じで。具体的にどう良くないのか言葉に出来なくて、もどかしいですが、予告編の方が盛り上がったんですよね。僕的に。もしかしたら予告編で使われてなかったら、もっと盛り上がれたのかなぁ?と言うか、あれをクライマックスに持って来ても持って来て、そこにバットマンが現れてもよかったんじゃないですかね?

ものすごく大それた事を言わせてもらうと、クリストファー・ノーランって、そんなにかしこいと思われたいのかなぁ?と僕は思ってるんですけど…。サービス精神よりも、そっちのが大きいんじゃないのかと思うんですよね。でも、そこまでかしこく無いんじゃないですかね?本当にかしこければ、アホと思われても観客を喜ばせる方向に頭が働くだろうし、ここまで矛盾が出ないですよ。突き詰めるなら「ウォッチメン」くらいはやって欲しいですよね。
もしくは、真面目過ぎるのか。真面目過ぎて、観客の楽しさよりメッセージとか、そっちが先に立ってて、そっちにばかり気を取られて、絵的な面白さ一発で、サービス部分をなんとかカバーしようとしてる様に思えるんですよね。そんな大それた事より、全編に渡って緻密にサービスして欲しいですけどね。僕は。正直、前半、全く面白く無くて、何度も寝そうになりましたよ。もしかしらた脚本も辻褄合わせに必死になってる内に、大ポカやらかしてるパターンじゃないでしょうかね。

でも、全て否定的とか、そういうスタンスでも無いです。役者さんバットマン/ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)、ベイン(トム・ハーディ)を始め、全員、魅力的でしたし、先程も書いた様に、映像の凄さもありました。駄作とかは全然思ってません。ただ、いかんせん過大評価ムードが、どうなんだろう?と思うだけです。いや、ここのこう言う部分が好きだ!ってのは、僕もありますし、そういう評価はいいんですけど、漠然と良かったとか、あの世界観が…とか言ってる人は、やっぱりどうしても雰囲気に騙されてないですかね?と思ってしまいますね。

中途半端な問題提起してる映画よりも、バカ映画でも楽しい場面が多い映画の方が僕は大好きですね。
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by eigasirouto | 2012-08-24 01:03 | 新作映画(2012)

メリダとおそろしの森   

8/1(水)に、「おおかみこどもの雨と雪」の後に鑑賞しました。ちなみに3D吹替版での鑑賞でした。

メリダとおそろしの森
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公式サイト
解説: 『カールじいさんの空飛ぶ家』などの名作を手掛けてきたディズニー&ピクサーのタッグによる冒険ファンタジー。幻想的なスコットランドの森などを舞台に、自ら招いた不運と対峙(たいじ)することになるヒロインの活躍を描き出す。監督を務めるのは、『プリンス・オブ・エジプト』の共同監督のブレンダ・チャップマンと、『ジョン・カーター』の脚本を担当したマーク・アンドリュース。広大な森の風景と共に勇敢な主人公の成長に目を見張る。
あらすじ: 王女メリダは王家のしきたりや伝統に反発を覚え、娘に女性らしい優雅さを身に付けるよう願う母と度々ぶつかっていた。そんなある日、彼女は鬼火に誘われるようにして森の奥深くへと入り込み、魔女の家にたどり着く。そこで彼女は自分の運命を変えてもらいたいと訴え、その願いがかなうと同時に、それまで安泰だった王国が災禍に見舞われてしまい……。

映画の日に、日米の最高峰のアニメ映画を見比べた訳ですが、「おおかみこどもの雨と雪」に、母と子のお話、森でのお話、熊の存在など少し似てる部分もあり、色々と興味深く鑑賞しました。

とりあえず、ピクサー作品初の女性が主人公の作品で、しかもお姫様が主人公というディズニーの十八番設定で、町山さんなどの解説で、ピクサーはファンタジーだけど、作家達の悩みや気持ちをしっかり反映させている。そして作家達が男しかいなかったから今まで男の主人公ばかりだったけど、女性が作家に入って来たので、今回は女の子を主人公に出来た。との事です。普通にピクサーのファンですし、ずっと楽しみにしてました。

ただ、僕の感想はと言いますと相変わらず絵は美しいですし、楽しいのは楽しい映画なのですが、後半くらいからあんまり面白くなかったと言うのが、正直な感想です。

どうして面白く無かったのか?色々と考えたのですが、いくつか自分なりに理由を考えた所、大きく3つあると思います。
ただ、ネタバレになりますので、まだ観て無い方は、鑑賞後に読んで下さいね。
①主人公メリダに問題がある気がする
②理解出来ない行動がいくつかあった
③全体的にキャラが弱いと思う
と僕は思うのですが…。

①主人公メリダに問題がある気がする

ですが、これは主人公の顔がタイプじゃないとか、性格が嫌いとか、僕の個人的な好みじゃなくて、メリダが最初から最後まで正しく無いだろうか?という事です。
王道パターンであるならば、主人公の王子なりお姫様なりが父なり母なりに反発する主張は一見正しく思えるけど、いよいよ追い詰められ、仮の死を体験し、それを克服して、親の言ってる事を理解し、大人になって自らの意思で王様や女王になる。という感じだと思うんですけど、今作に関しては、終わってみれば、最初からメリダの言ってる事を貫けただけでした。わざと型を外した…のかも知れませんが。
つまり、観終わってから振り返ると最初から別にメリダの言ってる事が特におかしくなかったんじゃないか?と思えて来ました。冒頭で、母親に反発しててどこかで過ちに気付くと思ってたら、そうじゃなかったです。
むしろ間違ってたのは、母親の方で、母親の方がメリダに歩み寄るという結果でした。なので、成長したのはメリダじゃなく母親の方だった。と僕は思ったんですよ。
別に、型通りに作品を求めてる訳じゃないですけど、一体メリダは何をしたのか?果たして主人公的な活躍をしたんだろうか?と言う部分も重要だと思います。
全く活躍してない訳じゃないですけど、結構、偶然と力技でなんとか母親を懐柔した感じなんですよね。でも、その話のどこに面白さを感じればいいのだろう?と僕は思ってしまったんですけどね。やはり主人公なりの落ちぶれと復活と大活躍を観たかったです。

②理解出来ない行動がいくつかあった

これまた主人公の行動なんですけど、「おいおいそんな事より、それを早くやった方がいいんじゃねーの?」とついつい思ったり、「そこ一緒に行かなきゃダメなの?」と思う場面が多々ありました。ただし、これに関しては女性の行動ってそういうものだから。と言われてしまえば、もしかしたらそうなのかも知れません。
例えば、破れた家族の布を縫えば、母親が熊から人間に戻れるかも知れない!と思い始めて行動に移るのですが、まず観てるこちらも、魔女の魔法の解き方がわからないので、そんなんで大丈夫かいな?と思うヤキモキ感はありますが、まぁそれは置いといて、お城に母親(熊)と一緒に戻る必要はあったのかな?と。どう考えても危険じゃないですか。メリダが一人でサクッと取り戻せば、早かったと思うんですがね。森に置いておくと野生化して危険だからでしょうか?でも、一緒にいたら野生化しないという絶対的な理由はわからないんですけどね。そこが物語を盛り上げる為に、一緒に行動したとしか思えなかったんですよね。
その後、布を取りに行く時に、感動的スピーチをして、それ自体は素敵なんですけど、でも、まだ問題が解決して無いから、それより早く布を取りに行けよ!とか、その後も早く布を縫えよ!と思うシーンばかりで、イライラしながら観てました。まぁそれが女性の行動なのかも知れませんが…。

③全体的にキャラが弱いと思う

主人公の立ち位置が微妙でも、周りのキャラがすごく面白かったりすると楽しかったと思うのですが、全体的にキャラが弱い気がしました。
確かに、三つ子の弟や、花婿候補の3人は面白くなりそうなんですが、面白そうで結局終わっちゃったと言うのが、僕の感想です。
三つ子に関しては、後半ちょっとだけ活躍しますが、花婿候補もあのアホな奴等なりの活躍をもう少しちゃんと観たかったなぁと思いましたね。
スコットランドの話で、なんとなく「ヒックとドラゴン」に世界観が似てるなぁと思って観てたのですが、「ヒックとドラゴン」は、割と他の仲間も後半で活躍してて、そういうシーンでグッと来た思い出があるので、なんかちょっぴり物足りなさを感じてしまったんですよね。
とにかく、もう少しだけキャラを掘り下げられなかったかな~?という気持ちです。

と以上の部分で面白く無かったんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
でも、スコットランド調の音楽も楽しいし、絵も美しいし、場面場面で愉快なシーンも盛りだくさんなので、まぁピクサー作品は観といて損は無いんじゃないでしょうか。
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by eigasirouto | 2012-08-06 19:15 | 新作映画(2012)

おおかみこどもの雨と雪   

8/1(水)の映画の日に、ユナイテッドシネマとしまえんで鑑賞して来ました。

おおかみこどもの雨と雪
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公式サイト
解説: 『時をかける少女』や『サマーウォーズ』など、新作を発表するごとに注目を集めてきた細田守監督が手掛けたアニメーション。ヒロインがおおかみおとこと恋をして結婚し、出産、子育てなどの日々を送る13年間を映し出す。細田監督と共に脚本を手掛けるのは、『時をかける少女』『サマーウォーズ』でもタッグを組んだ奥寺佐渡子。キャラクターデザインを『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの貞本義行が担当する。おおかみこどもを育てる母と子の強いきずなに勇気をもらう。
あらすじ:19歳の大学生花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲い……。

非常に素晴らしい作品だったと僕は思いますよ。
まず、あらゆる点で、すごく丁寧だなぁと思いました。背景や小道具の絵もそうですが、ストーリー展開や、キャラの心理描写など、細部に渡り丁寧だったと思います。
そして、キャラクターが皆かわいいなと思います。絵的にもそうですが、性格や人と動物の動きも含めてかわいらしいです。

「パプリカ」の追記記事で、細田守監督の事を少し書きましたけど、人物に影を入れないと書きましたが、そこを全く意識せずに観てしまい、今、非常に後悔しております。
でも、細田監督がおっしゃられてた普段人間が普通にやってる動きをアニメでやると快感に感じると言う描写がたくさんあり、それだけでも、楽しいなぁと思えましたね。+アニメだからこそ表現出来る、雨ちゃんと雪ちゃんがブルブルと震えて、オオカミに変身するシーンも観てて、楽しかったです。楽しいというか微笑ましいと言うか。

おそらく観客やこのブログを読んでる方の中に、おおかみ男及び、おおかみ子供はいないはずですから、こんなファンタジーな人達の話に共感出来るのかね?と思われるかも知れませんが、ただ、恋愛話、子育て話、子離れ話としてのリアリティがハンパ無いですよ。

母親の花と父親のおおかみ男との出会いから始まるんですけど、2人の恋愛がお互い待ち合わせして会ったりして、なんかキュンとなりました。で、びっくりしたんですけど、二人が抱き合う若干の性的描写がありまして。これ子供連れの親御さんは気まずいかもなーとか思いながら観てましたけど。まぁまぁそんなのもありつつ、非常に好感の持てる恋愛をして結婚し子供達を産む訳です。
そして、姉の雪と1つ違いの弟の雨が生まれるんですが、父親が死んでしまいます。そこから人間である母一人で2人の姉弟を育てる訳ですが、人間とおおかみのハーフですから、苦悩する訳です。でも、この赤ちゃん及び子供を育てるって、未知なる存在ですし、マニュアルこそあれ、皆さん初めての時は、苦心されたんじゃないでしょうか?僕は結婚もしてませんし、子供もいませんけど、色々な情報でそんな風に感じます。特にシングルマザーの方の苦労ったら無いでしょう。共感出来る部分あるんじゃないでしょうか?
また、雪も雨も少しづつ成長していって、段々と自意識が芽生えて性格もドンドン変わって行きますが、ここは僕も子供の時代がありましたから、すごく共感出来る部分があったりもしましたね。
おおかみとのハーフと言う、他者との違いを持ってる2人ですが、しかし、そういう特殊な人じゃ無くても、僕も少しみんなと違う部分があると自分がおかしいんじゃないか?とか、思ってすごく不安になってました。普通でいたい感覚というのが、子供の頃にはありました。その感覚を雪ちゃんが僕らに思い出させてくれます。そして、彼女の願いにグッと胸を締め付けられ、それが崩れる瞬間に僕は泣きました。
一方の雨君は、幼少時は非常に気弱な子で、この男の子の方が大人しくて甘えてると言うのも、なんかそうっぽいし、リアリティがあります。そんな彼が絵本を読んで、いつもオオカミは悪役という事を知り、泣いてしまう場面でも泣きました。

人間として生きるのか?オオカミとして生きるのか?母親の花は2人に決めさせようと決意し、田舎暮らしをするのですが、この田舎の描写もよかったです。田舎の良い所ばかりを描いてる訳じゃなく、最初は田舎暮らしの大変さ、畑仕事の大変さをちゃんと描いてますし、しかし、それでいて村の人達に仲良くしてもらい出す辺りからホッと出来て、よかった~と心底思えました。もう、そう思うって事はこの家族にかなり情が移ってたんでしょうね。そして、花に惚れたおじいさんのツンデレぶりもかわいかったですね。つーか、その年になっても女好きなんて、イーストウッドか!と思いますけど。まぁでも死ぬまで男は女が好きなんですかね。

後、思ったのはタイトルというか名前にもなってますけど、非常に天気の使い方が考えられてる気がしましたね。雨の時は基本的に嫌な事が起きますよね。最後はもっと深い事が起こりますが。逆に雪は3人で走り回ったりして楽しげでした。それと何度も晴天の雲を描いてました。その辺の意味合いも探ってみたいですね。

僕は、あんまりアニメの良し悪しは、わかりませんけど、とにかく面白かったし、素晴らしい映画だと思いました。
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by eigasirouto | 2012-08-03 01:36 | 新作映画(2012)

苦役列車   

7/23(月)の深夜のバルト9で鑑賞して来ました!

苦役列車
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オフィシャルサイト
解説:貧しい肉体労働青年の青春を描いて第144回芥川賞を受賞した西村賢太の小説を、『マイ・バック・ページ』などの山下敦弘監督が映画化。1980年代後半を背景に、19歳の日雇い労働者で、酒におぼれる主人公を中心に、その友人、主人公があこがれる女性の青春模様を描く。主演を『モテキ』の森山未來が務め、ほかに『軽蔑』の高良健吾、AKB48の前田敦子が共演。独特の世界観を持つ原作に挑戦するさまざまなジャンルの作品を手掛ける山下監督と、旬の俳優たちによるコラボレーションから目が離せない。
あらすじ:1980年代後半。19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二(高良健吾)と親しくなる。そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。

現在、彼の影響を受けて無い邦画は無いんじゃないか?と言われてる山下敦弘監督の最新作ですね。彼のどういう部分が素晴らしいのかはこれから調べて行こうと思いますが、同じ年なんで応援したいですね!

まず、原作を読んで無いんですが、原作者の西村賢太氏が映画を酷評してるらしく、山下敦弘監督とは舞台挨拶でも会話をしなかったみたいだし、原作ファンはこの映画に違和感を覚えてる人もいるみたいなんで、原作を読まないと何とも言えませんが、あくまで原作を読んで無い僕としてはですね…メチャクチャ好きな映画でした!今の所、下半期ナンバー1です!

まず、主人公の北町貫多(森山未來)のクソ野郎っぷりがよかったですね。僕としては、当たり障りのない凡庸な主人公や、薄っぺらな正義をかざす主人公よりも全然好きですね。ここまでクソじゃないですけど、部分部分が野暮な僕には気持ちがわかるんですよ。僕も19歳の頃なんて、何よりもとにかくセックスしたかったです。でも、それに伴う努力をしてない。というか努力の仕方もわかってない。好きな女の子に上手く話かけれない。おっさんをバカにしている。完全なその日暮らし感、行き当たりばったり感とか、もう彼の気持ちは痛いほどわかります。実際、彼の父親が性犯罪で捕まったという様な経験が僕には無いので、わかってるつもりになってた気になるなと怒られそうですが、でも貫多には19歳くらいの青年のある一部の人間の普遍的な悩みや葛藤を背負ってると僕は思ったんですけどね。とにかく立派な人間じゃない側の僕は非常に感情移入して、自分の事の様に映画を観た訳です。
それを演じる森山未來の演技が素晴らしかったです。なんなんでしょうか?あの目つきは。本当に嫌な奴にしか見えないんですが、その上で、どこか、かわいそうな奴であり、ちょっとかわいい部分もあったりして、この役をここまで表現出来るのは、彼しかいないんじゃないでしょうか。完全にハマり役ですね。

日下部正二(高良健吾)もいいんですよ。スゲーさわやかでかなりイイ奴。まぁ薄っぺらくて事無かれ主義な所もありますが、貫多との対比キャラとしてバッチリです。そう、彼は僕らの向こう側の世の中の色々を受け入れられる側の人間なんです。でも、僕らは向こう側の人間に憧れがあるし、仲良くなりたいとも思ってる訳です。だからそもそも友達の少ないこっちは仲良くなった途端、ホモソーシャル憧れが発動し、必要以上に仲良くなろうとして、ストーカー的行為にまで及ぶ訳ですな。だけど、向こう側の人間は友達多いですからね。基本。段々、遊んでくれなくなって、嫉妬しちゃうんですよね。そして、最終的にその関係が崩壊するという…。
というこの2人の関係性もかなり好きなポイントでした。
また、正二の彼女もよかったですね。僕の大嫌いなタイプでした。ああいう、先を行ってる感じを出して来て、知ったかぶりをして偉そうな女が一番嫌いなんですよね。で、正二が優しいから(アホという気もするが)、そんな彼女を肯定しちゃうんですよね。あの、居酒屋での2人のトークの腹立たしさったら無いですよ。そして、それをぶっ壊す貫多に、ありがとう!と思いました。ハラハラする場面だし、友情が後に決壊する理由のシーンなんですけどね。

そして、前田のあっちゃんも良かったと思いますよ。このキャラが原作ではいなくて、彼女が主人公に影響を与える部分に原作者は怒ってるみたいですがね。でも、僕はいいと思いますけどねー。だってかわいいし、下着で海に入ったり、隣のおじいちゃんの放尿を手伝ったりと色々とやらされてますが、それを素晴らしい笑顔でやってくれるんで、素敵でしたよ。つーか、あので海に下着で入る貫多と正二が下着で海に入って、あっちゃんが「も~みんなバカなんだから~」って、台詞は80年代ドラマっぽいし、僕ら世代がが子供の頃に超絶アコガレ台詞だと思うし、何よりあの海のシーンがとてもアコガレシチェーションでした。山下監督と同じ年だからやっぱり憧れの対象が似てるのでしょうか?あの頭突きシーンもよかったですね。総じて、あっちゃんは良かったと思いますよ。

それと個人的に一番グッと来たのが、マキタスポーツさん演じる高橋ですね。貫多の延長線上にいる人物で、それを好演してましたね。序盤は表向きイイ人を演じてるんですが、頭悪そうで、本当はクソなんだろうなって感じがして。貫多も自分の延長だと理解して無くても肌で感じたから嫌悪感を抱いたと思うんですよね。で、彼がスナックで、マイクを取り上げるシーンは泣きそうになりましたね。これはちゃんと説得力のある歌唱力が無いとダメなシーンですが、さすがマキタスポーツさん!だと思いました。だから高橋出てこないかな~とか思いながら結構観てましたよ。

と、その他の脇役も含めて役者陣は本当に良かったです。こんな人いそうだなって思えました。

それと僕は前半は、どちらかと言えばギャグが多かったですが、ギャグも冴えわたってましたね。まず、あっちゃんと友達になれた時の、貫多の喜び方で僕は爆笑しましたよ。握手した手を舐めるシーンも親譲りの変態よのうと僕は好意的にニヤニヤしてましたけどね。さっきのあっちゃんがジイさんのおしっこを手伝うシーンも面白かったです。その他、クスクス笑えるシーン満載ですけど、わかりやすいつっこみとか無いんで、気付くかどうかです。僕はこういう淡々とした笑いが好きなので楽しめました。

他にも色々書きたいんですけどね。でも、結構時間を費やしたので、この辺にしておきます。もしかしたらまた追記やるかもですが。とにかく、僕は非常に面白い映画でした!でも、原作を読まずに観に行った方がいいかもです!
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by eigasirouto | 2012-07-28 02:22 | 新作映画(2012)