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ローラーガールズ・ダイアリー追記2   

「ローラーガールズ・ダイアリー」感想→こちら
「ローラーガールズ・ダイアリー」追記感想→こちら

病院行って、新作映画2本鑑賞して帰って来ました!
今日、鑑賞したのは、ナ・ホンジン監督作品「哀しき獣」園子温監督作品「ヒミズ」でした。
早く語りたくて、ウズウズしてます。特に「ヒミズ」は、原作も好きなんで、古谷実先生の話もしたいし、日本で個人的に5本の指に入ると思ってる園子温監督の話もしたいんで、ウズウズしています。

が、かと言って、昨日すごく楽しませてもらった「ローラーガールズ・ダイアリー」も疎かにはしたくないですからね。
前回までで、主役エレン・ペイジ、監督兼チームメイト役ドリュー・バリモア、母役マーシャ・ゲイ・ハーデン、チームメイト役クリスティン・ウィグを簡単に紹介した所まででしたね。

それで本題なんですけど、話自体は全く新しくないし、王道で古典的だと思いますよ。でも、王道とか古典って、やっぱり面白いからずっと残ってるんで、物語のパターンとして、使わない手は無いですよ。僕も若い頃は、新しい物以外作ってはいけないという病気にかかってたんですけど、今は古い新しいじゃなくて、面白いってのが、一番大事だろうと考えを改めました。

では、どういう王道なのか?まず、スポーツ物で弱小チームが強くなっていくスポーツ下克上モノなんで、すごく「がんばれ!ベアーズ」的な話だなと思いました。まんまの展開もありますしね。(ちなみに僕の現段階の生涯ベスト映画は「がんばれ!ベアーズ」です。)
また、ローラーゲームというスポーツは、チームプレーでもあるので、同性友情モノでもありますね。
それとこの映画のもう一つの軸である母と娘の葛藤っていうのも、過去作で結構あるでしょうね。今、僕が思いついたのは、この作品より後の「ブラックスワン」だけですけど、過去作でたくさんあるはずです。そもそも成長モノのお話って、父なり兄なり母なりまたはその様な存在の人物をを主人公が乗り越えるってのが絶対必要じゃないですか。その面を切り取っても王道的だと思います。
それだけに留まらず、恋愛要素も加わって来ます。この恋愛の展開もベタっちゃベタなのかも知れませんが、イイですよ。だから恋愛モノとしても楽しめます。
なんで、この話は、スポーツ下克上モノ成長モノを軸に、同性友情モノ、 恋愛モノが絡み合ってくるというお話なんですよ。
でもこんな映画って、数え切れないほどあると思うんですよ。ただ、だからと言ってこの要素が揃えば面白くなるか?って言えば、そうじゃないから不思議ですよね。

でもベタであればある程、その監督の腕が試されるんじゃないでしょうか。
やはりドリュー・バリモア恐るべしって思いますよ。前のブログに書きましたが、本当に手際がいいですし、ローラーゲームの説明する時のセンスもいいし、キャラ立ても上手いし、王道だけど、まぁ複雑っちゃ複雑な話じゃないですか?でも、見せていく順番(構成)がちゃんとわかってる人だと思ったんですよ、僕は。見せ場をちょっと長めに入れて、そろそろあっちの話も気になり始めた所で、サクッと一瞬であっちの話を見せてくれる(しかも何が起きてるかすぐわかる)んで、ストレスもこちらは掛からないですよ。上手いなーって思いましたね。そういう事がいきなり初監督で出来てるんだからやっぱり、すごいんですよこの人。
後、前半のフリの回収とかもちゃんと出来てますよ。フリのギャグとしても面白い台詞があってそれだけでも成立してるんですけど、後半にそれと全く同じ台詞が使わて、それが全然違った意味を持って来るという至極真っ当なフリの回収もしてくれてます。(原作を読んでないのでわからないけど、こちらは原作の功績かも知れませんが。)

それで、まぁ映画を観ただけでも面白かったんですよ。
でも、一番僕が衝撃を受けたのは、観終わった後なんですよ。
それはですね、作中で一点気になった部分があって、ググってゾッとしたんですけど、冒頭でブリス(エレン・ペイジ)が、コンテストでこう発表します。
「私が誰かと食事ができるなら・・・アメリア・イアハート」
と。僕は、誰それ?って流したんですけど、気になってもう一度そこを見直して、名前をメモってググりました。ここから引用地獄が始まりますよ。準備はいいですか?
リンドバーグに続き、女性初の大西洋横断飛行を成し遂げた
イアハートは自身の体験を通じ、女性の地位向上に熱心な活動を行ない、ゾンタクラブ(英語版)の主要メンバーとして活躍していた。今もイアハートの名前を冠した奨学金制度(大学院課程で航空関連の科学や技術を学ぶ女性対象)が運営されており、日本人女性も例外ではなく、事実、この制度に助けられている女性は少なくない。
近年の日本においては知る人が少ない存在ではあるが、米国では今も代表的国民ヒロインの一人
昨今、これらの現象から、ナンバー1でなくても切り口を変えればナンバー1になりうる、としてマーケティング分析分野では「アメリア・イアハート効果」という語も生まれている。
一番手は歴史に残っても、二番手以下は残らない、これが一番手の威力である。そのリンドバーグから5年も経った32年に、大西洋を単独飛行したのがアメリア・エアハートである。ウィキペディアを見ればわかるように、その名前は歴史に残っている。その理由は……、彼女が女性だからだ。彼女は、「女性で初めて、大西洋を単独飛行した」のである。「人類」というカテゴリに、「女性」という一つの切り口を入れると、一つの新しいサブカテゴリが生まれる。こうした効果を、彼女の名にちなんで、アメリア・エアハート効果と呼ぶ
という人物なんですよ。
この人物の名前を冒頭で主人公に言わせてる(主人公的には母親や大人達の手前、アメリカでは有名な当たり障りの無い人物を挙げただけかもしれないが)事が衝撃だったんです。観た人ならわかると思いますが、冒頭で、いきなりこの物語のメッセージを暗に伝えきってるんですよ。

どういう事かと言うとこの物語は
・○○では一番じゃないかも知れないが、△△では一番だ
・主人公及び、チームメイト達の男性から見た理想の女性像からの独立

と言うのが、この物語のメッセージだと僕は思ったからです。
ローラーゲームをやってる女性達は、わざわざタトゥーを入れたり、ドぎついメイクをして、女性であろうとしてないですからね。
だからドリュー・バリモアは、これを撮りたかったんじゃないでしょうか。彼女は子役から活躍してるし、説得力ありますし。

散々、古典だ王道だと言って来ましたが、こここそが、新しいというか、男女逆転しつつある現在だからこそ、表現出来るうるというか、今、表現するべき題材なのかなと思ったんですよ。

で、日本人はピンと来なくてもアメリア・イアハートは、アメリカでは有名な訳だから、僕みたいにググらなくても、一発で理解出来ると思うんですよ。ここだけ見ても、どうでしょう?ドリュー・バリモアの手際の良さが伝わりませんか?

という事で、「ローラーガールズ・ダイアリー」本当にイイ作品だと思うんで、時間がある方は観てみて下さい!

いや~、またまた長くなりましたね。この僕の手際の悪さは、ドリュー・バリモアにボコボコにされかねませんよ。それはそれで嫌いじゃないですが。

by eigasirouto | 2012-01-17 02:02 | 追記、修正など

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