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瞳の奥の秘密追記   

「瞳の奥の秘密」感想→こちら

第82回アカデミー賞外国語映画賞受賞作で、アルゼンチンでは、11週連続で1位になったという作品です。

前回は、サクッとアルゼンチンと監督の情報を書きましたが、色々調べてみると元々、この話は原作者のエドゥアルド・サチェリは、1973年にカンポラ大統領の恩赦によって、政治犯と一緒に殺人犯まで監獄から出て来た事がきっかけで、思いついたみたいですね。そういうのがわかってるとより見応えがあるんじゃないでしょうか。

この映画は、核となってるのは、社会派ドラマであり、恋愛ドラマであり、政治的ドラマだと思いますよ。ジャンル的には、サスペンスなんでしょうけど、それは表面上のエンターテイメントな部分で、「犯人は誰だ?」的なミステリー部分は、開始1時間くらいでわかるし、特に新しい事もないし驚かないですよ。ただ、そこから当時のアルゼンチンという国であるからこその展開が始まりますね。かなりの人が、前半はちょっと退屈だけど、後半面白かったってレビューなんかに書いてますよ。最後の最後の妻を殺害された男の出した答えは、個人的に「おお!」と思いましたね。「なるほど」って思いましたよ。ただ、こういう事書くと変に深読みして、がっかりするパターンもあるからサスペンス物の感想は難しいですよ。鑑賞してない方は、1回頭を空っぽにして観て下さいね。

まぁでも、そこにがっかりしたとしても充分楽しめる作品と僕は思いますけどね。

解説とか読むと非常に真面目な映画っぽいし、実際暗いんですけど、ちゃんと時々笑わせてくれたりもしますよ。ギレルモ・フランセーヤという役者が演じる【パブロ・サンドバル】という、主人公の部下がいるんですけど、この人がコメディリリーフで、イイんですよ。アル中でドジばかりで、電話に出る時、刑事裁判所なのに「精子バンクです」とか、毎回毎回、あらゆる嘘をついて、電話を切るんですよ。そんなバカなんですけど、人間の真理はわかってる男で、こんな事を言いますよ
「どんなに色んなものを変えられても、人には決して変えられないものがある。それは情熱だ。」
この言葉が犯人逮捕の手掛かりになるだけでなく、この映画の言いたい事まで伝えてると僕は思うんですよ。で、本当にいいなと思うのは、そもそもは酒ばかり飲んでる言い訳として、言ってる言葉なんですよ。この言葉が前半のクライマックス前に出るんですが、これでもうこの映画好きだなって思った瞬間ですね。みなさん褒めてますけど、その後のサッカー場での1カットでのシーンも凄いです!熱狂もさすがマラドーナを生み出した国ですよ。
このギレルモ・フランセーヤって人、面白いんで他の映画も観てみたいですね。アルゼンチンのコメディアンなのでしょうか?前半は、つまらないって言ったけど、彼のシーンでギリギリ観れましたね、僕は。

そして、この映画の作りなんですけど、25年後のベンハミン・エスポシト(リカルド・ダリン)が、25年前の事件の小説を書く所から始まって、現在と25年前を行ったり来たりするんですが、奇しくも、今日観た「J・エドガー」も同じ様な構造になってて、小さな驚きが自分の中でありましたね。なんか大枠のテーマも似て無くは無いです。で、今作は行ったり来たりするんですが、エスポシトが「書けない」と悩んでたら、ヒロインであるイレーネ・メネンデス・ヘイスティングス(ソレダ・ビジャミル)に「時系列に並べて見れば?」みたいな事を言わせるんですよね。この映画自体は、時系列に並んでないから、そういう部分もこの作品の〝深み〟になってる気がしなくもないですよ。

とにかく伏線の回収の仕方も最高なんですよ。特に「A」の使い方、最高ですね。スペイン語がわかればもっと興奮出来たんでしょうけど、これで僕は、鳥肌が立ちましたよ。そして、ドアの開け閉めってのも・・・。なんの事かは観て確認して下さい。

この映画は、主要人物達の決着の付け方の映画だなって思いましたよ。
先にも述べました通り、妻を殺害された男の出した答えと、25年前から時間が止まってた主人公エスポシトの出す回答で話は終わりますからね。
特に、妻を殺害された男の出した回答は、考えさせられますね。でも僕は、現状、この方法が一番いいんじゃないかって思いますね。僕はかなりスカッとしたんですよ。

まだ、語り尽くせてない部分はあるけど、とりあえずこの辺にしておきます。
本当に好きな映画になりました。

by eigasirouto | 2012-01-30 22:33 | 追記、修正など

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