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息もできない【2回目】   

2010年に鑑賞した新作映画で、僕の中では1位の作品です。2012/9/10に2度目の鑑賞しました。

息もできない
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公式サイト
解説: 冷徹で粗暴な借金取りの男が、勝気で男勝りの女子高生と運命的に出会い、互いに過去のトラウマから解放されていく姿を描く純愛ストーリー。俳優としてキャリアを重ねたヤン・イクチュンが、若手注目株のキム・コッピを相手役に迎え、パワフルな演出で初監督と主演とを務める。強権的で絶対的な存在の父親から逃れられないという似たようなトラウマを抱えた男女が、魂の交流を重ねることで心情が変化していく解放のドラマに注目だ。
あらすじ: 母と妹の死の原因を作った父親に対して強い憎しみを持っている借金取りのサンフン(ヤン・イクチュン)は、ある日、女子高生のヨニ(キム・コッピ)と知り合う。サンフンは、強権的な父親や暴力的な弟との関係に悩むヨニに惹(ひ)かれ、それぞれの境遇から逃避するかのように何度も一緒に過ごすうちに、互いの心に変化が訪れる。

公開当時は、本当に映画を観始めたばかりで、映画の事をよくわかってなかったと思うのですが、この作品は本当にガツンと心を揺さぶられたのをすごく覚えています。確か、渋谷のシネマライズで鑑賞したと思いますが、当時、全国で3館だけで、かなり小規模な映画扱いだったと思います。インディーズ映画ですから、それも致し方ないとは思いますが、こんな素晴らしい作品が、ほとんど観られて無いなんて、おかしいと思って、色んな人に勧めた事を思い出しました。今では、口コミなどで広がったのか、割とレンタルビデオ屋などで見かけますが、当時は、それくらい小規模で無名に近い作品でした。ただ、映画通の人達には評判が伝わっていたみたいで、平日昼の回で、ほぼ満席でした。とにかく映画の持つ力を目の当たりにした訳です。僕にとって、非常にかけがえのない、とても大切な作品です。

監督が映画を撮る理由は様々あるのでしょう。商業目的で監督はプロデューサーとかに雇われて、ヒットさせるために作る映画が多いのでは無いでしょうか。それがよくないとか、僕は思いませんし、その中で、いかに映画オタク達をも楽しませる様に面白く作れる監督もたくさんいると思います。例えば、「アベンジャーズ」ジョス・ウィードン監督の様に、非常に難しい条件を最大限に、と言うよりも予想を遥かに超える結果を出して来たりすると、やはり心底感動がありますし、仕事の出来っぷりに心から尊敬の念を抱きます。ただ、そういう映画とは対極にあるのが、今作の様なインディーズ映画じゃないでしょうか。誰に頼まれる訳でも無く、自分がどうしても訴えたいメッセージがあり、私財を投げ打ってでも撮りたい物がある。実際、今作のヤン・イクチュン監督は、私財を投げ打って、どうしてもこの作品が撮りたくて撮った訳ですからね。そういう映画は、やっぱり商業作品と違ったすごい力があると思います。観た人の価値観を揺さぶる様な、映画を観た後、なかなかその世界から抜け出せない様な、人によっては人生も変わる様な。そんな力は、どうしても訴えたい事があった作品の方が強い様な気がします。より深く作品を愛してしまう気がします。「アベンジャーズ」も、相当愛してるんですが、また違った、なんでしょう?自分の為の映画だ…とでも言いますか。上手く言えませんが、とにかくすごくハマってるんですよ。

元々、ヤン・イクチュン監督の父親が、母親にDVを行ってて、韓国の父親はそういう人が多くて、それに対する怒りが強くあったみたいです。それをどうしても訴えたかったみたいです。この作品は、暴力映画とも言えるかも知れませんが、暴力についての映画。と言った方が正しいかも知れません。ある意味では、教育的な映画とも言えるかも知れませんが、しっかり笑いや涙を誘う場面も用意されてて、エンターテイメント作品としても、楽しめる作りになってる所も素晴らしいです。

後、当時、思ったのは、非常に初期の北野映画っぽいなぁと思いました。言葉少なめで、暴力に頼った男の話とか、乾いた暴力の感じとか。
それと原題は、「うんこばえ」ってのも、素晴らしいと思います。そのタイトルこそが大事だったと思います。さすがに、日本じゃ受け付けられないでしょうが。(韓国でも無理とさすがに周りには止められたみたいですが)

映画の中身の話ですが、元々役者であるヤン・イクチュン監督が自ら演じるサンフンに久々に会えて嬉しかったですね。当時もそうでしたが、また改めて、好きになりました。まず、チンピラ風な男なんですが、どうみても顔はかわいいし、不器用で暴力的だけど、心底悪い奴じゃ無さそうなんですよ。こうなってしまったのは、父親を中心に育った環境の影響が非常に大きくて、本来はこんな人間じゃ無かったんだろうと思います。そういう時折、見せる〝優しさ〟に、ホッとするのと同時に、ちょっとかわいそうに思えて来て、グイグイと主人公の魅力に引き込まれる訳です。もう、主人公サンフンを好きになった時点で、この映画にどっぷりハマると思います。

ヒロインであるヨニ(キム・コッピ)も、かわいいけど気が強くて、面白い存在感で素敵です。家庭では父親が狂ってて、弟に暴力で金をせびられて、悲惨なんですが、サンフンの前では、家族を自慢すると言う、弱い所を見せたくない所も含めて、かわいくて切なくて。もう少し、素直に言ってれば、また違ったラストがあったかも知れないのですが、現実は得てしてこういうものでしょうね。

一旦、更新しますが、後で続きを書きます

by eigasirouto | 2012-09-13 18:23 | 再鑑賞など

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