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クヒオ大佐   

10/8、DVDにて鑑賞。

クヒオ大佐
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解説: 吉田和正原作の「結婚詐欺師 クヒオ大佐」を映画化した、型破りな人間ドラマ。日本人でありながら西洋人のような容ぼうを生かし、自分はアメリカ空軍のパイロットなどと偽って女性たちから約1億円を巻き上げた実在の結婚詐欺師の真の姿に迫る。どこか憎めない詐欺師役に『南極料理人』の堺雅人。彼に無償の愛をささげる女性を『余命』の松雪泰子らが熱演する。付け鼻をして、何とも不思議な主人公に成り切った堺と3人の女性たちの物語に夢中になる。
あらすじ: 1990年代初頭、クヒオ(堺雅人)は、自分はアメリカ軍特殊部隊のパイロットで、エリザベス女王とも血縁関係にあたるなどと吹聴し、次々と女性たちをだましていた。だが、実際彼は純粋な日本人で、華麗な経歴もすべて自ら作り出したものだった。弁当店を営むしのぶ(松雪泰子)も彼の立派な軍服姿にころりとだまされ、懸命にクヒオに尽くすが……。

吉田大八監督作品を制覇しました!
「桐島、部活やめるってよ」を映画館で鑑賞して、これはただ事じゃないと思いまして、吉田監督の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」、と「パーマネント野ばら」を鑑賞した訳ですが、どちらも素晴らしく面白くて、今作も非常に惹き込まれました。

吉田監督の特徴は…まぁ全部原作ありきの作品なのですが、主人公がとても褒められた人物じゃない。と言うのが特徴でしょうか?「桐島~」に関しては、主人公が誰か?と言う問題はありますが、皆、それぞれに闇を抱えてると思いますし。褒められたもんじゃないと言うよりも、人間の嫌な部分をえぐり出すと言うか、それを観てるこっちも持ち合わせてる要素なので、凄くこちらも揺さぶられるんですけど、でも、それを否定してる訳じゃなくて、少し前向きにも思える感じでしょうか。ジェイソン・ライトマンと同じ様メッセージ性を持ってる様な気もしますね。

また、CMディレクター出身だからか、映像で結構遊んでると言う印象も受けます。
例えば、「腑抜けども~」なら漫画の世界になったり、今作で急に空が真っ黒になって、カミナリがゴロゴロなったりします。

映画監督になる方法「私はこうして監督になりました」(日本映画監督協会 座談会)で、隅田靖監督、吉田大八監督、山下敦弘監督の対談で色々と興味深い事が書かれてますので、興味のある方は是非、読んでみて下さい。吉田監督のCMと映画は全然やり方が違うと言うのも、なかなか面白い話でした。

それで、クヒオ大佐の話なんですが、実在の人物を元にしたフィクションと言う事です。1984年に結婚詐欺の疑いで逮捕された人物で、僕はうっすら聞いた事あるくらいの知識でした。ちなみに原作は未読です。その状態で鑑賞したのですが、フィクションという事で、時代も変更されてて、アメリカが最初のイラク戦争を開始した時代(2003年)に変更されていました。

第一部で、イラク戦争開戦で日本政府がどう対応するべきか?でてんわやんわしている映像が始まるのですが、僕はてっきり何か違うモノをレンタルしたのではないか?と不安になりましたが、そこは大丈夫でした。それは、アメリカ人になりすましているクヒオこと竹内武男(堺雅人)の言ってる事とアメリカの言ってる事が、本質的に同じである。と言うメタファーであり、皮肉になっていると言うが、段々わかりました。

クヒオは、健気に信じる幸の薄そうな永野しのぶ(松雪泰子)を都合よく利用して、果敢に浅岡春(満島ひかり)や須藤未知子(中村優子)等にも手を出そうとします。満島ひかりと安藤サクラが同じ職場で働いてるんですが、「愛のむきだし」で一緒にやってた二人をチョイスする事で、二人のコンビ感、友達感がハマってて、アンサンブルとして素晴らしいと思います。

それで、結婚詐欺をする男の話と言えば、つい最近観た「夢売るふたり」とどうしても比べちゃいますけど、やっぱり「夢売る~」みたいに、上手くはいかないよね?と言う展開で、割と早い段階で詐欺に気付く人物が出て来ますし、騙されてる女側の事情も丁寧に丁寧に描くので、そこまで見せられると騙されるのも無理は無い!と納得出来る作りだったと思います。

基本、コメディタッチで進んで行って、徐々にクヒオの人物像が浮かび上がって来て、ついに…と言う展開になるのですが、楽しい作品ですので、是非、ご覧ください!

by eigasirouto | 2012-10-17 02:05 | 旧作(2012年鑑賞)

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